2010.04.14 Wednesday

縮緬宝(チリメンダカラ)

    
このタカラガイを最初に拾ったときは、これは何だ?と思った。タカラガイと言えば普通は多少摩耗していてもツルツルした感じがある貝なのに、そんな様子はどこにもない。殻に刻まれた凸凹といい、その質感といい、あまりに異質なタカラガイだ。でも、今ではかなり好きなタカラガイになっているんだよね。名前は織物の縮緬(ちりめん)になぞらえたもの。縮緬は撚れのない縦糸と強く撚れた横糸を使って織り上げた布で、精錬すると縮んで凸凹が生まれ独特の風合いになる。何とも日本的で美しい名前だよね。でも、僕が真っ先に頭に浮かんだのはシェルパスタ(コンキリエ)! そう思った人は多いんじゃないかな?(笑) ふと思いついて机の中をガサガサと探ったら、ショートパスタの実物をあしらった手作り風のメッセージカードが出てきた。リボン形のファルファッレや螺旋形のエリケ、車輪形のルオータと一緒にコンキリエもある。その上にチリメンダカラを置いてみると…ほらっ!どれだかわからないでしょ?(笑)


    

アップ時に文中の「メッセージカード」が「ポストカード」になっていましたが、勘違いというか間違いでした。(4/15)
2009.12.17 Thursday

宝貝その19…ナツメモドキ(棗擬)

    

暖冬、暖冬と言ってたら、急に寒波が来て冷え込んできた(汗) 寒さに弱い僕にとってはこれからしばらく厳しい日々が続くわけだけど、これからの時期は貝拾いやビーチコーミングには悪くない季節だったりする。その楽しみの1つがツルピカのタカラガイ。タカラガイの仲間は南方系の種類が主で、水温低下に耐えられず冬を越せないものが多いのだ。このナツメモドキもそんな中の1つ。よく拾えるのはサイズ的には25ミリほどと大きいものの、殻が薄めで口が完全に閉じていない、殻の表面にまだ帯模様が残る幼貝がほとんど(写真上)。しかも、こちらで拾えるモノは全体的に黒っぽい。これがサンゴ礁域だと拾えるのは殻が厚く、殻の表面に褐色斑のある成貝(写真下)。しかも色は白っぽくなる。この傾向はハナビラダカラやカミスジダカラなどでも見られるし、キイロダカラもこちらとサンゴ礁域では全体の色合いが違ってくる。ちなみに成貝の大きい方は石垣島の白保の海岸で拾ったもの。確か椎名誠の『うみ・そら・さんごのいいつたえ』が公開された翌年くらいだったから、もう16〜17年前のもの!(笑)


    
2009.07.01 Wednesday

宝貝レポート09’前半

    

今年ももう半分終わっちゃいました…。月日が流れるのは早いっすね。逗子や鎌倉ではもう海開きして、梅雨が明ければ本格的な海水浴シーズン。ビーチコーミング難民はどこで過ごそう? と言うわけで、過去に既に紹介したものを救済するレポートコーナーの今回は、タカラガイです。まず最初はハナビラダカラ。手前のが25ミリ、奥の2つもそれより若干小さい程度という成貝サイズ。でもこれ、実は三浦半島産です。妙に色が黒っぽいところなんか“らしい”よね(沖縄産はこれ。拾ってから時間が経ってますが色は薄め)。いや、こんな大形のものがこっちで拾えるとは思わなかったです。


    
下のは温帯域ではごく普通種のメダカラガイにチャイロキヌタ。メダカラガイは超ツルピカに加えて長さが24ミリとわりと大形。まぁよく見ている人にとっては珍しくないかもしれないけど、メダカラガイを無視しがちな僕の場合、ちょっとした驚きなのだ(笑) チャイロキヌタの方もどちらも今まで拾った中で一番のツルピカ具合。小さい方(17ミリ)は典型的な茶色タイプで、大きい方(20ミリ)は色が薄めで横縞がクッキリしたタイプと個体差もわかれて嬉しい拾いモノ。今回のタカラガイは貝拾いではなく、磯の生き物を観察した時のオマケだから、尚更ラッキーな感じなのだ☆



7月の海辺は●●●に?……海山日和
2009.05.15 Friday

髪筋宝貝

    
宝貝その18はカミスジダカラ☆ 名前は、髪の毛のような細い筋模様があることに由来する。左の色の濃いものは三浦半島産。殻長は19ミリ。まさか、地元・神奈川で拾えるとは思ってなかったけど、つい先日、成果の乏しいビーチコーミングよりも磯遊び〜と岩場に行ったら見つけてしまったのだ(笑) 右の色の薄いものは沖縄の西表島産で、初めて拾ったカミスジダカラ。大きさは17ミリだけど、ボリューム感は三浦産より一回り小さい感じ。初めてにしてツルぴかという相性のいいタカラガイだったわけだけど、今回の三浦産もぴかぴか! しかし、この2つ、同じ種類?というほど色が違う。西表産のはもう何年も前のものなので、拾った時よりさらに色が褪せてるけどね。『タカラガイ・ブック』によれば、カミスジダカラは南へ行くほど白っぽくなるとされている。そしてご覧の通り、今回この2つがそれを如実に証明してくれたわけだ。これは生息環境の色彩が関係しているのかもね。



こっちもよろしく!……海山日和
2008.09.24 Wednesday

チャイロキヌタ(宝貝17)

   
メダカラガイと並んで、もっとも温帯海域に適応したタカラガイ。…なんだけど、意外な盲点というか、地味すぎて目が向かないというか、妙に印象が薄い。摩耗した貝殻を見ることは多い気もするけど、これは!という美品に会ったことが少ない。むしろ、その難易度はメダカラガイ以上では? もちろんチャイロキヌタを必死に探すことがないので(爆)なんとも言えないけど、それでも海岸でモノを探す目には自信があるはずなんだけど…。また、磯遊びをしているとメダカラガイやハナビラダカラ、キイロダカラの生貝には出会うけど、チャイロキヌタには出会ったことがない気もする。なんというか、近所に住んでる謎の人…みたいな(笑) これって僕だけかな?
2008.05.16 Friday

クチムラサキダカラ

     

宝貝その…いくつだっけ?(笑) この春、たくさんのキイロダカラを拾ったのだけど、それに混じって1個だけ拾えたのがこれ。まだ幼貝だけど、かなりのサイズ。やっぱりいるんだなぁ〜。…と言うのは、以前は主に沖縄に行ったときに貝拾いをしていた僕にとって、これは南の貝という認識だったのだ。ところが数年前、鎌倉の由比ヶ浜で完全な成貝を拾ってビックリ。もちろん、神奈川での採集記録があることも知ってはいたのだけど、自分自身で見つけるというのは、聞きかじった情報の何倍もインパクトが強い。しかも、打ち上げ採集で出会える確率は低いはずなので、より貴重な体験となったわけだ。今回の幼貝は、地元では久しぶりに出会ったクチムラサキになった。
*なんて話をしておきながら、下の成貝写真は状態の良さで南の島産です(笑) タカラガイの幼貝についてはこちらもどうぞ。

  

*同じ貝でも、ちょっと違うタイプのものが海山日和でご覧になれますよ☆
2008.03.15 Saturday

お子様の季節

     
神奈川では、冬から春先にかけてがタカラガイ拾いのシーズンと言える。なぜなら、タカラガイの仲間は基本的に南方系で、神奈川はその分布の北限に近い。冬から春先にかけて水温が低下すると、それに耐えられずに死んでしまう個体が少なからずいるというわけ。ミサリンさんのブログでも紹介されているけれど、幼貝が多く拾えるのも特徴だ。僕も今シーズンに何種類か拾っているけれど、今回はその中から2つ。上はハナビラダカラガイの幼貝だと思う。下はハナマルユキの幼貝。コモンダカラガイの幼貝に似ているけど、まぁ大丈夫でしょう(笑)。どちらもツルピカ。このようなツルピカが拾えるのも、この時期の特徴かも。今はもう磯には海藻が茂っているけど、海藻とツルピカ幼貝の一石二鳥を狙って出掛けてみたら?

     

【追記3/16】
続きを読む >>
2008.02.18 Monday

ホシキヌたん☆

    
「たん」をつけて呼べば、なんか萌え〜な感じでしょう?(爆) タカラガイのツルピカを打ち上げ採集で手に入れるのは、なかなか大変なこと。それなのに去年の秋と今年に入ってから、運良くホシキヌタのツルピカを拾うことができた。しかも、どちらも50ミリオーバー(右53ミリ左57ミリ)の良型だ。以前紹介した個体が35ミリだから、はるかに大きい。前の記事では小さいモノ好きだから満足〜みたいなことを書いているけど、あれは当時ツルピカを1個しか持っていなかったための負け惜しみみたいなもの。こんなの拾えれば、ええ満足ですとも! どちらも三浦半島産。こんな立派なタカラガイがひょいと出かけて拾えるのも、三浦の海、相模湾がまだまだ豊かな証拠だろう。
2008.01.20 Sunday

クチグロ

    

宝貝その15はクチグロキヌタ。名前の通り、口(腹)側がベッタリと黒いことが特徴のタカラガイだ。背面は茶褐色に淡い帯模様が入る、なかなか渋みのある美しい貝なのだけど、僕が持っているのは写真のこれだけ。もう、だいぶ草臥れた個体だ。クチグロキヌタは神奈川県でも拾うことができる。でも、同じような大きさになるホシキヌタに比べると、かなり数が少ない。自ずと程度の良いものを拾える確率も少ないわけだ。ツルピカ好きとしてはぜひクリアしたい課題ではあるのだけど、最近の拾いモノは硝子に現を抜かしているので道は遠い…。貝拾いから始まった拾いモノ。初心にかえらなきゃダメか?(笑)
2007.12.15 Saturday

冬の磯の宝石

    
つい最近、三浦半島のとある磯に行ってみた。黒い岩場に白く輝く貝殻。大きさや形から、すぐにキイロダカラだとわかる。しばらく探すとポツリポツリとあちこちに見つかる。どれもツルピカ!極上の状態だ。拾い上げてみると、まだ生きているものもいた。本来なら、生時のタカラガイは外套膜で貝殻を覆っている。それが、どれも貝殻にほとんど身を隠した状態なのだ。キイロダカラは分布が房総半島以南とされているが、神奈川県でも見ることができる。ただ分布の中心は熱帯、亜熱帯域で、この辺りでは黒潮の恩恵でかろうじて生きていけるに過ぎない。その黒潮も流路によっては相模湾の水温を低下させるから、南方系の生物はなかなか定着できないのだ。今年がどういう状況なのかはわからないけれど、キイロダカラは急な水温低下によってダメージを受けているに違いない。毎年この時期に磯を詳しくチェックしているわけではないけど、今年はやっぱり数が多いかな? 冷たい水に腕を入れ、袖まで濡らして、しばしの貝拾い。生きているものには「頑張れ!」と声を掛け、主を亡くした貝殻はありがたく頂戴させてもらった☆
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