2019.09.20 Friday

ウルトラQ

 

8月末に少し海が荒れた時に見つけた、これ。この海岸で古い硝子壜を拾うのは、久しぶりだ。もともと硝子壜は滅多に出るわけでもないし、もちろん今回歩いている時もあまり意識していなかった。でもこれは、海藻などの打ち上げ物の陰にありながらギラギラと自己主張していて、通り過ぎようとした足が止まった。そして一目見て、ウルトラQのオープニングに出てくる、あのぐるぐる、ぐにゃぐにゃを思い出した(ちなみに、自分はその世代ではないです。再放送組ね)。なんと言うか、ものすごい銀化具合だ。とは言え、これはローマングラスのような本当のガラス銀化ではなく、偽銀化と言うようなもの。


       

持ち帰って、壜口についていたコルク栓を外し、中を洗って漂白すれば、はいこの通り。すっかり綺麗になって、銀化しているのは、壜口横のごくわずかな部分だけ。偽銀化は、壜の中にこびりついた膜状物質によって、光が干渉や散乱を起こして虹色に見えているだけ。一種の構造色だ。口の部分の銀化は、おそらくコルクとガラスが擦れることでついた、微細な傷が原因だと思われる。まあ、壜の中身は実際かなり汚かった。なんか黒いのこびりついてたし(笑) それにしても、小さな気泡もあって、なかなか良い硝子壜だ。


 

さて、硝子壜の正体だけれど、これは「味の素」のいわゆるバチビンだ。高さは115ミリ。壜の底には、「素の味」と右書きのエンボス文字。コルク栓で右書きエンボスなので、戦前のものと考えて良いだろう。味の素のこのサイズの壜には、もう少し口の長いタイプもある。それを紹介したのはなんと11年も昔のことだ。それから今までの間、実はこの口の短いタイプも拾ったことがあったと思うのだけど、あまりに状態が悪くて、物の行方はわからず写真も残っていない。今回のものは、海上がりとしては上等の部類。最近は、小さい卓上用バチビンも海岸で見ることが減っている。そんな中での出会いは嬉しいものだね。



2019.09.16 Monday

置き土産

        

各地に大きな被害を出した台風15号。自分の住んでいるエリアも丸2日以上停電した。パソコンが使えず仕事にならないので、三浦半島の様子を見がてら、個人的な調べもののために浦賀方面へ出かけてみた。その後、ここまで来たのだからと観音崎にまで足を伸ばす。そこで見つけたのが、これ。まあ、写真はヤラセですけどね(実際は、大量の打ち上げ物に混じっていた)。


 

本当に久しぶりの、そして今までで最大のオオブンブク! 長径はほぼ10センチ(正確には98ミリ)。何しろ神奈川ではブンブクの打ち上げに出会うことが稀。オオブンブクは、近年で拾ったのは小さいサイズだけで、大きめのものは欠片しか見ていない。残念ながら腹面に大きな穴が開いていて、そこからヒビも走っているけれど、側面から上面がしっかり残っているので上出来だ。肛門部分も残っていたので敢えて漂白はせず、黒く残った模様を活かしてみた。


  

この後、2枚目の背景に見えている観音崎自然博物館に寄ってみたのだけど、こちらも停電で臨時休館。図らずも情報弱者ぶりを発揮してしまったが、今回は三浦半島でも停電地域がモザイク状で、浦賀や鴨居あたりは停電していなかった。復旧対策が混乱するのも仕方ない部分はあったのだろう。ただ、博物館が休館でも、このオオブンブクの置き土産が得られたのなら、十分に御釣りが来るくらいのものだ(笑)


2019.08.28 Wednesday

朝顔一輪

 

ご無沙汰してます! およそ3ヶ月もブログを放置してしまってスミマセン(苦笑) 少し忙しかったのもあるのだけど、このところは特に拾うものもなく、ほとんどネタ切れ状態でアップしようがなかったのです(ストックネタも大したことないし…)。さて、今日は全国的に雨模様のようで、九州では大変なことになっているけれど、こちらもけっこうしっかり雨が降り、しかも意外と風が強かった。そんな訳で、また夕方の満潮に合わせて海岸を歩いてみた。先々週の台風10号余波の際にはまったく見られなかったが、今回はたった1個だけ、小型のアサガオガイが流れ着いていた。今年は5月に1個拾って、これで2個目。う〜ん…なんかパッとしない。西の方でも青い貝については特に情報もないみたいだし、今年はイマイチかな? それで種子でも来れば良いけれど、それもダメなんだよね。8月ももうすぐ終わり。秋に期待したいね。


 
2019.05.29 Wednesday

下がり花

 

今週の月曜日の夜から火曜日にかけて強い南風が吹いた。風が吹いたら海岸へ。生憎雨が降り出したけれど、濡れるのも気にせずに歩く。ウィンドサーファーを除けば海岸に人などいない。ホント酔狂だよなと、つくづく思う(笑) 海岸には流れ藻を中心とした寄りものが大量。この季節なのであまり大きな成果は期待できないけれど、丁寧に見ていけば小さなアサガオガイひとつ。今年2019年の、そして令和最初の青い貝ゲット!


     
     

青い貝にしても種子類にしても、やはり種類、数ともに増えるのは夏以降、秋が本番という感じだ。それでも稀にモダマが来たりするから気は抜けない。しかし、寄りものの雰囲気がイマイチ南方系の混じる雰囲気ではないんだよね。見つかったものと言えばココヤシの内果とモモタマナ1個ずつ。そして…


 

これはちょっと珍しいサガリバナの果実。サガリバナはゴバンノアシと同じ仲間で、その果実は浮遊に適した厚い繊維質層が発達している。ただ、ゴバンノアシに比べると、関東南部への漂着数ははるかに少ない。もちろん上述のモモタマナには遠く及ばない。その理由は、ゴバンノアシのように丈夫な外果皮がないこと(ゴバンノアシは外果皮が残ったまま漂着することもある)、モモタマナのようなコルク質が発達していないことではないだろうか。漂着種子果実としては、近〜中距離散布型と言えるのかもしれない。今回のサガリバナには、表面にコケムシやエボシガイの付着が見られ、長期間漂流して来たことを物語っている。



2019.04.11 Thursday

ヒスイ海岸に行ってきた

 

つい最近、所用で富山に行く機会があり、最終日に1日オフ日があったので、こんな場所へ行ったきた。富山市内からは少し距離があるし、すごく興味があった訳ではないんだけど、ビーチコーマーとしてはやっぱり避けては通れないでしょ(笑) この場所は富山県朝日町の宮崎海岸。ここから同じ朝日町の境海岸まで続く一帯は、親不知子不知を越した先、新潟県糸魚川市の海岸と並ぶ、ヒスイが拾えることで有名な海岸なのだ。


 

海岸は、あいの風とやま鉄道の「越中宮崎」駅のすぐ近くで、周辺はのどかな田舎の集落。でも、平日の昼間でも大型観光バスで観光客がぞろぞろとやってくる。観光客はみんな、とりあえずは海岸に降りてきて、石を拾い上げたりしていた。


 

海岸には、観光交流拠点施設ヒスイテラスなるものがある。グーグルマップにもまだ反映されていない、できたてホヤホヤのようだけど、施設スタッフのおじいちゃん曰く、「ここは海を眺めるための施設」ということで、トイレとレンタサイクル以外は何もない。ただし、ヒスイの展示はあるので、参考にはなるよ。ここにカフェでも作ったらいい感じになりそうだけど、それをしない潔さは好感が持てるかも。まあ人件費その他を賄えるほど、人が来ないのだろうけどね。さて、ここまで来たなら、やっぱり拾いますよ。その結果は…。


 

これがまあけっこう難しい。1〜2枚目の写真を見るとわかる通り、海岸には細かい砂利が敷き詰められていて、そこに含まれる岩石、鉱物も多種多様だ。色も黒や灰色だけでなく、白、ベージュ、赤、オレンジ、ピンク、紫、緑、それにごま塩、まだら、縞々と色も模様もいろいろある。ヒスイを拾えるチャンスは冬場の海が荒れた後が良いと言うし、海岸にはいかにもベテラン風(長靴に石を搔きわける棒を持った)おばさんも歩いている。ヒスイと言ってもさまざまなタイプがあるようだし、知識も経験もないので如何ともしがたい。まあ、期待薄だとは思っていたけれど、それでもなんとかそれっぽいものを拾うことができた。


 

大きさはほんの豆粒大程度(笑)でも、上の3つのうち、特にこの2つは間違いないんじゃないかな。まあ、現地の砂と一緒に小瓶に入れて飾るには、ちょうど良い大きさだ。


 

ヒスイの他にも、瑪瑙を含んだ玉髄なんかもけっこう落ちている。写真のものは玉髄でも、碧玉と言えるものなんじゃないかな? ツルッツルで模様もあって、これだって十分に勾玉が作れる美しさだ。もちろん希少度という点ではヒスイに劣るのかもしれないけどね。しかし、この海岸を歩けば、岩石・鉱物標本セットが簡単に作れそうだと思った。こっち系が好きなビーチコーマーには堪らない場所かもしれないね。



2019.03.31 Sunday

謎ブンブク

 

今週木曜日、前日に少し風が吹いたようなので、鎌倉の材木座海岸に出かけてみた。期待していた青磁片はパッとしなかったが、東端に少し海藻などの打ち上げがあり、貝殻も少し混じっていた。特にミスガイはプチ祭り。しかし、話題はそれではない。写真を見てもらえればわかる通り、極小のブンブクが見つかったのだ。大きさは長径8ミリ。鎌倉〜三浦半島の海岸でブンブク類の打ち上げは非常に稀なこと。しかも、今まで見てきて、このサイズのものを見つけたのは初めてなのだ。自分の場合、堪え性がないため、微小貝拾いになかなか集中できないのだけど、それでもこれより小さいコメツブウニやマメウニ類には気がつく。鎌倉のほかのビーチコーマーさんの話題の中にも、このサイズのブンブクの話は出てきていないと思う。


 

ところが、家に帰って調べてみても、花紋や凹み部分など、この形状の特徴に一致するブンブクがいないのだ。鎌倉の海岸で見つかるブンブクは、ヒラタブンブク、オオブンブク、オカメブンブク、セイタカブンブク、ブンブクチャガマ(非常に稀。個人的には未確認)の5種類で、そのどれとも一致しない。それ以外の種類が出る可能性は低いし、唯一可能性があるとしたら、オカメブンブクの極小というところか。花紋の特徴が一致しないけど、成長段階で家紋部分が広がるなどの変化をする可能性はあるかも。しかし、手持ち資料がないので確認のしようがない。日本海側や西日本ではオカメブンブクなどの大量打ち上げがあり、小さい個体も見られることがあるようなので、もし何かご存知の方がいれば、ぜひ教えてください。


2019.02.23 Saturday

夜磯観察の副産物

 

この冬はかなりしっかり夜磯の観察に勤しんでいる。前回の記事でも紹介しているように、今季は秋口から初冬にかけて比較的水温が高めに推移してたため、南方系の貝類が見られるなどおもしろい結果が出ている。さて今回は、前回のような珍しいものではないけれど、夜磯観察の副産物、FD(フレッシュデッド)の宝貝だ。年が明け、2月に入るとさすがに南方系タカラガイ類も限界に近づいたようで、タイドプール にちらほらと貝殻が見られるようになった。拾えるのは常連のキイロダカラ、ハナビラダカラ、ハナマルユキだ。とりあえず温帯種のメダカラガイやチャイロキヌタは手を出していない。この時期に拾えるものはFDだけに、どれも貝殻の艶がピッカピッカなのが嬉しい。


 

ハナマルユキはつい先日の夜磯で6個拾えた。2枚目の写真左側は昨年中に拾ったもので、まだ殻口側ができあがっていない亜成貝。右側が今回拾ったもので、すでに殻口側もできあがり、横のでっぱりも顕著になった成貝だ。成長の遅かったものは初冬の水温低下に耐えられず、昨年中に死んでしまったのだろう。昨年中に十分、成長できていたものは、とりあえず年は越せたものの、その後の水温低下には抗えなかたようだ。だいたい2月が一年で一番水温が落ちる時期。現在の水温を見ると第三管区海上保安部の海況情報では、たぶん15度前後。ただし、大気に接する潮間帯はそれ以上に水温が低い可能性が高い。キイロダカラやハナマルユキの限界水温はどのくらいなんだろうね。



2019.01.23 Wednesday

星になった姫の星

 
 

昨年の12月23日、世間様の多くがクリスマス連休に浮かれている頃、自分はひとり、三浦半島の夜の磯にいた。毎年恒例の冬の夜磯観察だ。秋から冬にかけて水温がかなり高かったせいか、今季はちょっと変わったものが観察できている。その前の大潮では、なんと相模湾での生体初報告かもしれないベニヤカタガイを見つけていたので、この大潮でもかなり期待していたのだ。全般に生きものが少ない中、出てきてくれたのがヒメホシダカラだ。三浦半島ではかなりのレアもの。もちろん初めて見たものだけど、三浦半島でも見られることを知ってから、いつかは見たい(拾いたい)と思っていたタカラガイなのだ。見つけた個体は、貝殻にまだ縞模様が残る亜成貝。南方系だけに、まだ生きてはいたものの、外套膜を展開する力はないようだった。でも、岩の天井にくっつき、引き潮に取り残されそうになっていたのを水中に戻してやると、ライトの光を避けるように岩陰に移動して行った。


 

年が明けて、大潮だった先週末、またまた夜磯に行き、ヒメホシダカラのいたタイドプールをチェックしてみた。最初に見つけた岩陰を探すが見当たらない。どこかに移動してしまったのかな…と思って、そのすぐ近く、昨年末にもいたガンガゼに注目したところ、なんとその手前の水底に、ヒメホシダカラの貝殻が…。前に確認した時から約1ヶ月が過ぎて、水温も下がってきていたので、きっと耐えきれなかったのだろう。ヒメホシダカラは星になってしまった。とは言え、地元初のヒメホシダカラ。しっかり貝殻は回収してきましたよ。フレッシュデッドなので、状態も最高。この時期はこうしたFDのタカラガイを拾うのも楽しみのひとつなのだけど、海から良いお年玉をもらったよ!



1月も半ばを過ぎて月末に近づいてしまいましたが、本年最初の更新です。拾うものに恵まれない限り、なかなか更新がはかどりませんが、今年もよろしくお願いいたします!


2018.12.27 Thursday

定番神薬

         

先月の南房遠征、最後のピースはこちら! もう、硝子壜が出るなんてことはまったく期待していなかったので、これを見つけた時もカメラを車の中に置きっ放し。で、現場写真がなかったの上に、物撮りするまで時間がかかり、やっと今頃アップ。たったこれだけのことなのに?と言わないで(苦笑)


        

まあ、さすがにけっこう擦れがあって、状態はほどほど。エンボスは一面に「神薬」とある以外は、メーカー名などもなし。ガラスには少し気泡が入っている。このタイプは戦前も戦後も作られているようなので、時代的なことは不明。これが出た海岸も、落ちているのはほとんど戦後のものだから、昭和20〜30年代の可能性もあるかも? でも、嬉しいね。神薬といえば、この形のビンが定番といえば定番なんだけど、そもそも自分は神薬に縁が薄い上に、これまで拾っている2本は細長タイプ。ここに辿り着くまでにずいぶんかかったな。でも、そういうものってけっこう多いんですよね。時間がかかっても、憧れのものをひとつひとつ拾っていきたいな。来年も…。



hiroimonoは、これが今年最後の更新になります。今年は仕事の忙しさにかまけて更新が滞り、大変失礼しました。そんな時にもアクセス数はそれなりにあったので、ホント感謝しています。来年も「海山日和」共々、よろしくお願いいたします。
2018.12.09 Sunday

かわらけ

        

千葉遠征の続きがあるのだけど、現場写真がない上に、物撮りをしていないので後回し。ひと頃の忙しさを脱したものの、相変わらず地元の海岸はご無沙汰状態だったので、今週、久しぶりに鎌倉を歩いてみた。いつもは材木座海岸だけなのだけど、今回は由比ヶ浜も含めて往復。とは言え、この時期はそれほど何か出る時期でもなし。前の日に少し風が強かった…というのに、わずかな期待を込めてというところだ。しかし、由比ヶ浜の方でほんのわずか微小貝があったくらいで特に拾うものもなく、材木座に戻ってきて青磁片1個。何にもないけど、天気が良くて気持ちいいからいいか〜とくらいのもの。と、思ったらこんなものが落ちていた。




これは、かわらけだ。かわらけとは「土器」と書き、中世の頃によく使われた、使い捨ての素焼きの器のことだ。鎌倉の海岸では、欠片は無数に落ちている。かわらけの欠片の特徴は、レンガや植木鉢のような赤茶色をしていて、ザラザラとした質感。あまり高温で焼かれていないので、断面を見ると赤茶色なのは表面だけで中が黒くなっている。欠片は無数に落ちているとは言え、土に埋もれた遺跡でもなく元が使い捨てだけに、このように全体の形が残っているのは極稀なこと。いつかは拾いたいと思っていたけれど、10年以上鎌倉の海岸を歩いて初めてだ。そういう意味では、中国青磁片よりも貴重かも。口径は6センチ。大きさからすると酒器、盃のようなものだろう。これを使って鎌倉武士が一杯やっていたかもと思うと、なかなか感慨深いね!
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