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2009.08.11 Tuesday

凱旋記念

    

少し前に南房総を訪れた時、ほぼ完品の記念杯を拾うことができた。かなり岩の多い場所だったのに、縁の部分がポツポツ欠けている程度で済んでいたのは奇跡的と言えるだろう。 記念杯は戦前、徴兵期間が終わって除隊したときの記念に、知り合いなどに配ったもの。海軍や陸軍など所属部隊によってさまざまな絵柄があり、また杯本体のデザインも高台が桜形のものなどがある。今回のものは内側に「朝鮮工兵十九大隊 凱旋記念」の文字と、桜にスコップとツルハシを模した絵が描かれている。工兵とは陣地の構築、道路や橋の建築、爆破工作など土木建築技術に特化した部隊で、なるほど納得の絵柄だ。「朝鮮工兵十九大隊」という部隊はネット検索ではヒットしなかったが、陸軍には日露戦争の後、朝鮮半島警備のために創設された第19師団という部隊があり、その中に工兵第19連隊という部隊があった。大隊とは通常、連隊の下の部隊単位なので、その下に工兵第19大隊があっただろうと推測できる。


    

この記念杯、高台を見ると送り主らしい名字が書かれている。その名字は「里見」。里見と言えば館山を本拠地に房総半島を支配した戦国大名と同じ名前。『里見八犬伝』の里見だ。拾ったのが南房総で、名前が里見なんて何だかとっても印象深い。第19師団は朝鮮半島の部隊であったが、大戦末期には最前線のフィリピンへと派遣され、そこで終戦を迎えた。この里見さんはおそらく部隊が朝鮮半島にいるうちに除隊したものと思われるけれど、その後はどんな人生を歩んだのだろうか…。



夏の花まだあります……海山日和
コメント
よく上絵付けが剥げず、こんな美しい状態で出たもの。しかも岩の多い場所で。よほど運のよい盃でしょう。写真をひと目見て、骨董市からにしては縁がギザギザなので、おおお・・・っと引き込まれてしまいました。ツルハシとスコップに桜のデザインがおもしろいですね。朝鮮工兵十九大隊の里見さんは、こんな盃が配れる頃に除隊したのでしょうから、なんとか生きて戦後を迎えることができたでしょうか。
  • 陶片狂
  • 2009.08.11 Tuesday 23:26
陶片狂さん。

これはちょっとビックリしました。
わりと最近まで地面または海底に埋もれていたのでしょうね。
上絵付けは完璧に当時のまま残っているようです。
これより前に地元で日章旗と旭日旗の絵柄の欠片を拾っていましたが
この工兵部隊ものというのは僕は見たのも初めてです。

里見さんはどうなったでしょうね。
再出征ということも考えられますけど…
どちらにしても、もう鬼籍に入っているようなお歳でしょうね。
  • 尚 nao.
  • 2009.08.11 Tuesday 23:47
スバラシイ!
こんな綺麗な状態で出るなんて!

これは湯のみくらいの大きさですか?
お茶碗くらい?

無知ですいません><

  • トバザクラ
  • 2009.08.12 Wednesday 06:58
トバザクラさん。

すみません、大きさ書いてなくて。
これは普通の日本酒を飲む杯と同じ大きさです。
直径は口側で55ミリですね。

この杯は専門のお店で注文をして作ってもらったそうです。
きっといろんな絵柄サンプルがあったんでしょう。
あまり大きいものだと、作って配る費用も大変でしたでしょうから
小さい杯あたりで落ち着いたのかも(笑)
  • 尚 nao.
  • 2009.08.12 Wednesday 09:39
ついに骨董市に行かれたのかと思いました。それとも尚さんのファンが、尚さんの行かれるちょっと前に置いておいたのかも(笑)。里見さんというところが嬉しいですね。
  • mimi_daikon
  • 2009.08.12 Wednesday 10:44
mimi_daikonさん。

あはは!
骨董市でももし僕が買うなら硝子ものでしょうし
誰かに置かれたものならビーチコーミングになりません(笑)
でも、そう思ってしまうくらい陶器ものの完品は稀で貴重です。
以前にmimiさんも桜高台の杯完品を拾われてましたね!

この里見さんは里見家に縁のある方でしょうか。
それとも明治になるときに勝手に名乗ったものか…
どちらにしても南房総こその名前なので、嬉しいです☆
  • 尚 nao.
  • 2009.08.12 Wednesday 12:08
縁の部分の欠けは残念ですが(だんだん欲がでる)、この綺麗な色が残っているというのが凄いですね。
この水色、いい色ですね〜
これが長年、砂の中に埋もれていたモノとは…
  • びっき
  • 2009.08.12 Wednesday 23:17
びっきさん。

焼き物などの色は時代を経ても、土に埋もれても色褪せませんね。
ただ、この杯の文字や絵柄は上絵付けなので
擦れなどによって取れてしまうものなんです。
ここまで完全に残っているのは、海岸ものとしては貴重です。
綺麗サッパリ絵が消えてしまったものもありますからね。

縁の欠けは…まぁ仕方ないです。
今までは半分だけとか、そんなでしたから。
でも、次は…(爆)
  • 尚 nao.
  • 2009.08.13 Thursday 00:00
良い状態で残っていましたね。
縁の色もキレイ。
「第19師団」まで調べられるところが、素晴らしいです。
  • hana-ikada
  • 2009.08.13 Thursday 02:59
hana-ikadaさん。

これだけ良い状態で出てくると、嬉しいですね。
杯自体はシンプルですけど、確かに縁の水色が綺麗です。

「第19師団」はネットで「朝鮮」「19大隊」などのワードで
検索をかけてみただけですけど、いろいろわかりました。

エンボスや印刷の文字で検索をかけても
まったく何も引っ掛からないものも多いですからね。
今回の記念杯はこれだけのヒントがあるのですから
やはり拾った責任としてネット検索くらいはしないと…(笑)
  • 尚 nao.
  • 2009.08.13 Thursday 10:08
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