2020.07.03 Friday

今更、鎌倉青磁20’前半

        

ご無沙汰してます。今年の春は、新型コロナウイルスの警戒宣言のため、ほとんど海岸に行くことができず終い。なんとか宣言が解除され、海辺の駐車場が再開されたものの、あっという間に7月。前半終了〜。というわけで、鎌倉青磁の今年前半分の報告です。最初は1月16日のもの。もう夕暮れ間近だったので暗い写真になってしまったけど、かなりよい発色をした青磁片だ。写真では見えていない側に高台があるので、おそらく大きめの皿かなにかの底の部分と思われる。


 

2枚目は3月11日。小さめの青磁片だけど、明るめの色合いに、良い感じに文様が入っていてくれた。これも、おそらくは皿の欠片だと思う。


 
 

次は4月2日。これが新型コロナ警戒宣言前の最後の鎌倉海岸歩きだった。青磁片は2つ。上は茶褐色系の青磁で、蓮弁がちょうど残っている。茶碗か鉢の欠片に間違いない。下の方は、石灰質の付着した、古そうな欠片。貫入があるものはそれほど多く見つからない。断面の様子は南宋系青磁の特徴を示している。資料などには、全体に貫入のある青磁器なども見られるので、これもまあ大丈夫だろう。


 

そして、警戒宣言後、材木座駐車場再開の6月1日。この日は写真のものを含めて3個の青磁片が拾えた。写真のものは、皿の高台部分。小さいけれど、色は良い。


 
        

6月26日は2個。写真上は皿の一部で、小さい欠片だけど箆模様が入ってくれている。下は茶碗か鉢の縁に近い部分で、蓮弁が残っている。わずか数センチしかない小さな欠片でも、少しでも文様や蓮弁が残っていると、それだけで嬉しくなっちゃうのだ。その文様が、南宋系青磁の確たる証拠にもなってくれるしね。


 

最後は昨日、6月2日。前日は台風並みの強風に大雨。海岸は川由来の落ち葉やゴミがいっぱいだったけど、そん中にポツンと青磁。長辺で4センチ弱あるので、鎌倉の海岸で拾える青磁では良い方だ。やや厚みがあるので、大きめの鉢かなにか。その下部のあたりだろうと思う。うっすら見える模様も、蓮弁の下部だろう。今季は海に行けない時期はあったものの、多少なりとも青磁片が拾えたので、それはそれで良かったと思う。今から数百年も昔のものが、未だに拾えるのだから、鎌倉の海の奥深さは底が知れないね。



お知らせ


当ブログ「hiroimono」は、2ヶ月以上ぶりの更新で今更という感じではありますが、今回の記事をもって休止させていただきます。また何かお知らせすることがあれば、この場にて発表させていただきます。
2020.01.26 Sunday

今鎌青19’後半戦

        
        

「いまさら鎌倉青磁」、昨年2019年後半の報告です。昨年の秋は、2度の大型台風到来で海の中が掻き回されたのか、いつもと違って青磁の揚がりも良かった。でも全ての写真を載せるとごちゃごちゃするので、良いものだけをピックアップ。はじめは10月14日と24日のもので、蓮弁の葉先がきれいに残っていた。こう言うのが出ると、ホント嬉しいんだよね。全体に薄めに整形されているので、碗の、縁に近い部分だろう。


       
 

次は11月7日のもの。この日は良いものが複数拾えた。良いものと言っても、今の材木座でこの程度の大きさの欠片が出れば御の字。その代わりと言ってはなんだけど、小さな湾になって波が穏やかな鎌倉の陶片はとても状態が良い。中国青磁の質が良いとも言えるけれど、その艶やかさは衰えていない。ちなみに、上の写真の上部2点(1点は下の写真と同じ)は、褐色みの強いもの。青磁と言っても、こういうタイプもあるからややこしい。あと上の写真の左下は青白磁だ。


 
 

そして、昨年一番心が震えたのが、直角三角形に似た形のこれ。青磁なのか青白磁なのかはちょっと判断が迷うところだが、長辺が5センチを超える、鎌倉の海岸で拾える中では最大級のものだ。文様は明らかに中世の中国製輸入陶器に見られるもの。調べてみるとこの手の文様を持つものとして、鎌倉の御成小学校にある今小路西遺跡から出土した「梅瓶(めいびん)」と呼ばれるタイプの壺がある。この陶片の文様の刻み方はやや浅いというか鈍い感じだけれど、同様の時代の、同様のものだった可能性はあると思う。


 
 

こちらは同じ日に拾った小さめの青磁片だけれど、こちらも繊細な文様が刻まれていて、元はかなり良い品だったことが伺える。南宋青磁の作品を調べると、この手の文様を持つ皿などがいくつか確認できる。


 
 

こちらは11月29日に拾ったもので、久しぶりの高台部分。大きさも、鎌倉の海岸で拾える中では大きい方だ。拾った青磁片が中国青磁であるかどうかは、文様や質感、断面の状態などを見て判断しているのだけれど、このように文様がないものは判断が難しいこともある。状態の良さ、よく残った艶やかさが、かえって新しい時代のものかと迷わせることもある。海岸からは江戸時代に日本で焼かれた青磁の欠片も出てくるからややこしいけれど、最後は「感」で判断しているのが現状だ(笑)


 

こちらも同じ29日のもの。これも本当に綺麗な青磁片だ。大きなものではないけれど、こうして写真に撮ると、まるで宝石みたい。このまま加工したら、けっこう良い感じのアクセサリーにできるんじゃないかって思うよ。蓮弁とは少し違うけれど、この縦筋の文様も南宋〜元時代の中国青磁によく見られるもの。


       
 

最後はこちら。12月3日に拾ったもの。流石にこの頃になると、台風効果も薄れてくるのか、拾えるものが減ってきた。そんな中で拾ったこれは、南宋〜元の青磁とは、同じ青緑色でも、どこか違った風合い。少し灰色がかった感じがあると言うか…。思い当たるのは、自分がまだ「それだ」と思うのは2個くらいしか拾えていない高麗青磁。確信には至らないけれど、けっこう可能性は高いと思っている。


 

何にしても、自分が勉強不足であることは否めない。そんな訳で、ちょっとこんな場所に足を運んでみたよ。出光美術館。ここは石油元売会社・出光興産の創業者、出光佐三のコレクションを展示する美術館で、今はちょうど陶磁器初心者にうってつけの特別展「やきもの入門」が開催さいれいた。展示は、古代から現代まで、さまざまなタイプ、流派の陶磁器を順番に並べて解説してあるので、とってもわかりやすかった。そして、この美術館を訪れた最大の目的は、陶片のコレクションを展示したコーナーを見ることと、青磁関連の資料(展示図録)を買うこと。陶片の展示室では、中国青磁の陶片をいろいろ確認したかったんだよね。コレクションの中には、もちろん鎌倉・材木座海岸の青磁片もあったよ。興味がある人は、ぜひ訪れてみて!



2019.11.07 Thursday

いまさら鎌倉青磁18〜19’

         

すっかり報告を忘れていた鎌倉青磁。タイトルには18〜19’となっているけど、18年後半はまったく拾っていないので、実質今年に入ってから夏までになる(青磁拾いについては、基本的に秋から春で1シーズンとしてます)。この春はホント苦戦した。歩いても青磁が少なく、また蓮弁や線刻のついた、はっきりこれ!とわかるようなものがあまり出なかった。1枚目は1月17日。薄くて上質なもの。皿か茶碗の一部か。


        

3月14日。少し厚手で、貫入などあるものの、質は良い感じ。鉢や香炉、壺などの縁の一部だろうか。


 

4月12日。蓮弁のついたものが、やっと出た。茶碗の縁に近い部分。この部分はよく出るのだけど、高台に近い方はほとんど出ない。どこかに埋もれているのかな。


 

5月22日。今年の春から初夏では、この日が一番だった。拾ったものは2つだけど、どちらにも蓮弁。青磁というと、水色っぽいものや明るい緑色のものを想像するかもしれないけれど、鎌倉で出る青磁は、少しオリーブ掛かった独特な緑色だ。だが、それがいい!(笑) さて、夏以降、現在のまでのところ、ちょっと良いものが拾えている。台風が複数来たので、海の中が掻き回されたのだろう。今後にも期待したい。



2018.06.27 Wednesday

いまさら鎌倉青磁(18/6月)

 

危ない危ない…一度も更新せずに6月が終わってしまうところだった。忙しい上に梅雨時ということもあって、海岸にはほとんど行っておらず、ほとんど何も拾っていない。ストックネタも尽きかけている現状で、かなりヤバい…。どこかでドカンと一山当てたいな…(発想まで危なくなってきた 苦笑)。と言う訳で、6月に拾ったのはこれだけ。相変わらず鎌倉青磁は好調で、この日は小さいながらも形の残った高台部分が拾えた。断面の印象や、わずかに残った高台周辺部に蓮弁模様の名残があるので間違いないだろう。写真の中では左端の、青白磁っぽい欠片がちょっと自信なし。そこそこ古いものだとは思うのだけど、断面の印象や表面の青磁釉むらが典型的なものとは違う。中国青磁と同時代のものかもしれないけれど、あるいは江戸ものという可能性もある。まあ、あくまで当て推量でしかないけどね。もう海岸は海の家が建ち並んできたし、駐車場料金も上がる。ますます足が向かなくなりそうだけど、青いものの到来は期待できる。今のこの状態も、頑張って乗り切らなくちゃ!



2018.05.27 Sunday

いまさら鎌倉青磁18’

           

忙しさにかまけて更新していなかったけれど、今期もちまちまと青磁片は拾っていた。というか、家から近く、短時間で済ませられる鎌倉の海くらいしか行く余裕がなかった…というのが現実だったのだけどね。しかし、今期は質的に、これまでよりも良好な結果が得られたように思う。いつものような物撮りをしている余裕がないので、基本、現場写真(拾った全てではなく、一部のみ)でお送りするが、まず最初の写真は2月のもの。今期、出だしはあまり良くなかった。写真のものも、文様も見られない、長辺2センチほどの小さなものだ。


     
     

3月も青磁が拾えたのは1度だけ。上の写真は椀か皿の底の部分で、高台の一部も残っていた。これも小さなものだけど、しっかりとした文様がある。下の写真のものはなかなか興味深い。文様から南宋系の青磁片と思われるが、青磁釉は完全に剥がれ落ちている。鎌倉の青磁片の特徴として、非常に状態が良いものが多いことが挙げられるけれど、その中でこれは異常なレベル。しかも断面が一般的な灰色系の色ではなく、黄土色なのだ。陶土が違うということは一般的な龍泉窯や同安窯とは産地が違うという可能性があるし、陶片の状態からは時代が古い可能性も考えられる。


           
 

ここから4月。この日、良かったのは写真の3点。一言に青磁と言っても、青緑色のものとは限らない。鎌倉で拾える青磁片のうち4分の1から3分の1は、写真のようなオリーブ色系のものになる。上の写真のものは、写真ではよく見えないけれど、蓮弁の一部がはっきりと見える。


     
 

こちらも4月。この日は夕方前、しかも雨が今にも降り出すような天気。でも、これまでで一番の大当たりの日だった。拾った青磁片は大小合わせて17個!(もっとも6個は本当に小さい屑片だけどね) しかも写真上のはかなり上質のもので、鎌倉で拾える中では最大クラス。波打ち際でこれを見つけた時には、ゾクゾクっと少し震えた(笑) それ以外にも下の写真のように蓮弁がわかる、大きさもほどほどの青磁片が2個も拾えて、かなり充実した時間が過ごせた。


     
 

ここからは5月。相変わらず行ける海岸は鎌倉のみの状況。でも、青磁が拾えれば嬉しいから良いのだ(5月初めには青いのも来たしね)。写真は上下、そして次の1点もそれぞれ別の日のもの。4月に引き続き、蓮弁や篦筋文様がわかるものが拾えた。サイズ的にも鎌倉でこの大きさが出れば御の字。もっと小さい屑片も多いからね。そうした屑片は、文様があるとか、よほどの特徴がない限り拾わなくなった。それらは、きっとさらに波に揉まれ、細かく砕かれ、化学変化を起こしてセラドニウムという鉱物に変化し、鎌倉の砂の一部になっていくはずだ(なんてね!)。


           





2017.07.18 Tuesday

いまさら鎌倉青磁(17/飛んで6月)

           

通常だと5月いっぱいで打ち止めの鎌倉青磁拾い。今年は4月は沖縄に出かけた関係でほとんど海に行かず、5月も爪の先のような屑片しか見つからなかったので飛ばし、いきなり6月編。6月はもう青いもの狙いの海岸歩きなんだけど、拾えちゃった(笑)まずは月半ばに拾ったもの。オリーブ系の青磁で、縁取り二重線と篦文様がくっきり。薄手で、かなり良い品だと思う。こういう文様の付け方は同安窯系かな。


         

そして2つめは月末30日に拾ったもの。一目見たときに「これこそ砧青磁!」と思ったくらいに青かった(正確には水色ね)。よく見ると、うっすらと連弁のような文様が見える。これは龍泉窯系だよね。大きさも、これくらいのものが拾えると満足感があるんだよね〜。


         

2つの集合、白バック写真。水色っぽい青磁の方は、全体に貫入がある。でも表面はツルツルだし上質。鎌倉で拾える青磁の中でも、元のものはどちらも高級品だと思う。海中、砂中での埋没、保存状態にもよると思うけど、上質のものは欠片になっても良さが伝わってくるんだよね〜。


         

最後はおまけ。江戸時代のくらわんか碗。たぶん瀬戸地域周辺で大量生産されたもので、鎌倉の海岸で出るものは文様もほぼ同じものばかり。でも、ここ数年はこんなサイズのものを見ることがめっきり少なくなった。これは拾わなかったものだけど、記念と記録のためにパチリ。さて海水浴シーズンに入ってしまったので、今季の青磁はこれでお終い。またの再開をお楽しみに!


2017.04.07 Friday

いまさら鎌倉青磁(17/2〜3月)

       
        

早春から春の恒例、鎌倉の青磁片拾い。1月はまあまあだったのだけど、2月は低調で、これだけ。現地写真と集合写真右のものは良い感じで篦文様も残っていて、わかりやすい。集合写真中央のも同じ系統の陶片だ。集合写真左のものは、断面を見ると中国青磁でほぼ間違いない感じなのだけど、表面の青磁釉はあまり典型的、つまり龍泉窯や同安窯的なものではないな〜と思う。陶片表面の摩耗具合は海中での埋蔵状態によって違うし、時代や焼かれた窯が違うと正直なところ区別はできない。しかし龍泉窯の青磁は本当に質の良いものが出るので、左側のものはそれよりは劣る印象があるね。


              

3月は前半まったく海に行けないような状態で、当然、青磁もなし。でも、月半ば過ぎと月末に出かけた2日で、まとまった数が拾えた。もっとも、大きさは長辺2〜3センチのものばかりだけどね。まずは月半ばの成果。この日はけっこう良質のものが拾えた。上の写真は篦文様が残ったもの。断面の気泡もよくわかるね。


         
         
         

この日、拾えたのは8個。特に良かったのは、個別に撮っている2つ。小さいながら蓮弁の様子がよくわかる。色合いも繊細で、質感も良い。これらの元は、龍泉窯系のけっこうな高級品だったと思う。完品だったら文化財クラスだろう。その雰囲気が、小さな陶片からも醸し出されているんだよね。特に上の方はけっこうお気に入りだ。この2つ以外では、集合写真の右上、オリーブ系の青磁で数本の篦文様が残るものも気になる。こちらは同安窯系かな。


              

さて、こちらが月末の成果。この日は9個。ただし、奥から2番目左、青灰色の小片は、もしかしたら江戸青磁かも。この日は他にも2つ江戸生時が落ちていて、一瞬騙されそうになった。江戸青磁の特徴は、断面が細かく粉っぽい感じで、気泡も少ないこと。それに、青磁釉を施しているのが器の外側だけで、内側は白磁に藍色の染付文様がある場合がほとんどだ。


         
         
         
         

この日の良かったもの4つ。一番上は、茶碗の下部、蓮弁の付け根あたりかな。2番目のはオリーブ系で、この手は青磁ではないと勘違いしやすいもの。篦文様は左に行くほど太く、そして下側に曲がっている。これが江戸陶片とかだと、きちんと同心円で縁にそった線になっていることが多い気がする。3番目は2月にも拾った篦文様タイプで、青磁というか青白磁なのかも。4番目は、これもけっこう高級品ぽい、質感のとても良い青磁。蓮弁とはまた少し違う、少し立体感のある造形だ。元はどんな容器だったのだろう。小さな陶片からは、なかなか元の姿を知ることができないけれど、資料写真などを見ながら、いろいろ想像してみるのも楽しいんだよね。


2017.01.29 Sunday

今年初青磁(17/1月)

           

    

いやはや何とも、やっと今年2回目の更新…。だって、ネタ切れ気味に加えて、あまり海に行けていないので仕方ないのだもん。とは言え、またこのシーズンがやって来た。そう、鎌倉青磁の季節が! しかも、今月は1回でなかなかの成果が出た。最初の海岸写真のものは、集合写真の右下のもの。太めの篦文様のようなものがあるので同安窯系かな?


         

これは集合写真真ん中のもの。3センチに満たない小さな陶片だけど、うっすらと蓮弁の先端が2つ見えている。青磁釉の質もすごく良くて、ツルツルの肌触り。間違いなく龍泉窯系の高級品…じゃないかな?


         

こちらは集合写真右上のもので、集合写真とは反対側の面。写真ではわかりづらいけど、集合写真の面にも反対側の面にも、うっすらと太めの篦文様のようなものがある。これも同安窯系のものだろう。


         

これは集合写真左上のものを、もう少し大きめに。最初、海岸で見つけた時には土器系かと思ったのだけど、手に取って見ると青磁片であることがわかった。と言っても、青磁釉はほとんど剥がれてしまっている。特徴的なのは滑らかにうねった3本のライン。判断が難しいところだけれど、断面の感じは中国青磁っぽいし、お友達のsatoさんが拾われている中国青磁にも、確か青磁釉の剥げたものがあったような…。これも同安窯系の青磁として良いだろうか。どちらにしても、なかなか興味深いものが拾えて嬉しかった。


2016.05.26 Thursday

いまさら鎌倉青磁(16/4〜5月)

            

鎌倉の中国青磁片を拾い始めて2シーズン目。昨季は小さいながらも蓮弁模様がわかるものなどが出ていたが、今季はどうもパッとしない。数はそこそこ出ているものの、どれも小さいし模様もほとんどわからないものばかり。ちょっとフラストレーションが溜まる状況で迎えた4月…。西表ロスの風邪引きから回復した初旬のある日。出たっ!出たよ。見事な大きさの龍泉窯系青磁片。写真ではわかりにくいけど、表面には蓮弁の筋も浮き出ている。


              
        

興奮覚めやらぬまま、ほんの数メートル歩くと、また出た! 今度のものは器の縁の部分で、見事に蓮弁の先端が見えている。色はオリーブ色だけど、これも青磁。土の色は褐色みがあり、土が灰色みの強い他の青磁片と違いがあるので龍泉窯かどうかはわからない。ただ気泡の入り方は似ているので、同じような時代のものだとは思う。この日の2つはどちらも碗だろう。こんな見事な青磁片はもちろん初めてだし、今まで拾った中で最大のはず。これは本当に嬉しかった〜。


        
        

さて4月の別の日のもの(2回分)。上は大きさこそ小さいものの、篦文様がはっきりと出た同安窯系の青磁片。中央に窯傷らしきものがあるが表面に擦れもなく、小さい中に筋と点がどちらも入ってお得な感じ。下はまた別の日。もの的には普通だけど、珍しく滑川河口で3つも拾えた。下は4月分の集合写真。最初の2つの大きさが目立つね。


        

             さて今回は一気に5月分も行っちゃいましょう。5月は2回分。


        

最初の1回分は1個だけで、一番長い辺でも25ミリの小さいもの。でもパッと見た瞬間に、かなり質の良いものだとわかるくらい青磁釉はピカピカで色もいい感じ。龍泉窯の典型作品の1つに双魚紋の皿(盤)があるけれど、それがちょうどこの破片のような幅広い縁をしている。あるいは…?(双魚紋部分の陶片も拾ってみたい!)


        
             

そしてもう1回分。この日もいいものが出た。小さいながらも蓮弁の先端が見えている青磁片。これは龍泉窯系か。小さくても、これは嬉しいんだよね。そして4月に拾ったオリーブ青磁に似た色みのものが再び出た。似ているけれど、比べると釉薬(の発色)も土の色も微妙に違う。でも同系統のものには違いないと思う。こちらも表面には蓮弁の筋模様がふんわり浮き出ているし、大きさもまあまあ。3月の嘆きが海神に届いたのか、4〜5月はかなり充実した青磁拾いができた。さて、とりあえず今季の青磁拾いはここで一旦終了。夏期はお休みしてまた秋以降に再開するよ。


最後に、今回のこの記事を陶片狂いだった我が心の師匠に捧げます。
陶片愛、みんなでしっかり受け継いでいきましょう。


2016.05.15 Sunday

いまさら鎌倉青磁(16/2〜3月)

       
        

西表関連記事の煽りでご報告の遅れた鎌倉青磁の、まずは2月分。ほとんど屑みたいな小片が大半だけど、左下のはわずかに蓮弁の模様が出ているかな? 注目は集合写真の真ん中、2枚目に表裏を見せている陶片。表面は青白磁っぽい明るい水色で貫入が多く、牡丹唐草のような文様がある。薄手で、断面は他の中国青磁に比べて白っぽい。でも気泡が多い古いものの特徴も兼ね備えている。ちょっと時代が読めない陶片。近現代ものではないと思うけど…。


         

こちらは3月分の一部。ほとんど屑のような小片。ちょっと怪しいものも入っている。まともに中国青磁、龍泉窯だろうと言えるのは右下の1個くらい。これはさすがに色が良いし、青磁釉の乗りも良い。


          
         

よくわからないのは3月8日に拾ったこれ。サイズ的には申し分なくて、波打ち際で見つけた時はドキッとしたけど、どんなもんでしょね。拾ってみると何だか微妙で(笑)中国青磁を画像検索してもこんな感じの色合いのものはほとんどないし、断面には気泡はあるけど色や質感には少し違和感もあるし、う〜ん…江戸ものかな?


             
          
         

最後は3月15日に1日で拾った青磁片。とは言え、改めて見ると左奥と中央奥のは違うっぽい。左奥のは緑釉が出た陶片で、断面も中国青磁と違う感じ。他のものは多分間違いなく中国青磁だけど、如何せん小片ばかり(中央の一番大きいのが長辺約3センチ)。まぁ1日でこれだけ拾えるというのは滅多にないことなのだけど、あ〜蓮弁とか篦紋とか、明瞭にわかる大きな青磁片が出ないかな〜と思いが募った、そんな2〜3月だったのだ。


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