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びーちこブログ・海辺で出会った拾いもの、アレコレ。。。
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Mは丸善のM
        

ヤバいヤバい…月半ばを過ぎて一度も更新してなかった。本当ならちょうど今頃、銚子方面にでも遠征するつもりだったのだけど、天気は悪くて梅雨より雨降るし、選挙とか言ってるしで、無期延期。当然ネタの仕入れもできず…。これは痛い。なので、とりあえずストックネタから、久しぶりの硝子壜。硝子ものの中でも、特に気にして拾っているのがインキ壜。あまり多彩なブランドは拾えていないのだけど、やっぱりインキ壜と言えば元祖であり老舗でもある丸善インキ。中でも、自分はこの古いタイプがお気に入りだ。磨りガラスっぽい半透明のタイプと、透明なタイプがある。


          

硝子壜の中でも、インキ壜は特に壜底にも注目してほしい。通常、ビンの胴体部分には紙製のラベルがまかれていて、エンボス文字がないものが多い。骨董店や骨董市で見つける場合はそのラベルが楽しめるけれど、海岸やハケで拾うならそれは無理。ただ、インキ壜は壜底にしっかりブランドの印が刻まれているものが多いので、そこを楽しむという訳だ。写真上の丸善インキ壜の場合は、頭文字の「M」と、登録商標を意味すると思われる「登録」のエンボスがある。


              
              

でも、同じ丸善インキでも、時代や種類によって壜底エンボスが少しずつ違っている。「M」と「登録」の組み合わせのもの以外に、「M」を円で囲むものやそこに凸凹のエンボスをつけたものもある。「M」の字も、少しずつ違っているのがおもしろい。昔、特に戦前は万年筆インキを作るメーカーがとても多かった。その中でも大手の丸善インキは流通量も多く、海岸やハケで出てくる確率も高い。だからこそ、こんな些細な違いを見つけて楽しむこともできるんだよね。
(ストックネタなので、写真サイズが最近のより小さくてごめんなさい)



SIMCOの四角
        

2年前の秋頃に拾ったもの(どこで拾ったかは失念)。インキ壜は数多く拾っているものの、実は変わった形の壜には縁がなく、四角いものも1枚目の奥に写っているものに次いでやっと2個目。底面は1辺が42ミリ、高さは60ミリ。半透明の水色をした、なかなか綺麗なガラスだ。表面に擦れ傷はあるが割れ欠けなく状態は上々。底を見ると丸囲みに「SIMCO」の特徴的なエンボス。これは篠崎インキのエンブレムだ。ネットで調べてみると、万年筆関係資料のコレクターさんのブログに行き当たった。そこを見るとチャムピオン・インキという四角壜のものが載っている。中身入りのようでガラスの色ははっきりわからないものの、壜のデザインはほぼ一致。これで間違いないだろう。篠崎インキには他にアカデミーインキという四角壜も出てくる。また底面が八角形をした壜もあるようだ。と言うか、チャムピオン・インキには靴形の壜も存在している。う〜ん、これらの変わり種インキ壜、いつになったら出会えるかな〜?



        
無名インキ瓶2題
            

日本には、明治以降から第二次大戦前の昭和初期までさまざまな万年筆メーカーが存在した。そして、それと同様にインキ(インク)メーカーもまた百花繚乱のごとく数多く存在していた。ビーチコーミングなどで拾えるインキ瓶のうち、丸善や篠崎などのメーカー名がわかるものは実は少ない。紙ラベル仕様のみのエンボスなしビンだと手がかりは皆無で、あとはビンコレクターさんや骨董店のHP、ブログなどで似たものを探すしかない。でも、そもそもインキ瓶はデザインが似通っているので、写真だけでは判断がつかないことがほとんどだ。今回はそんな正体不明のインキ瓶を2つ。最初のは、おそらく今まで僕が拾ったインキ瓶の中で、もっともユラユラ、泡あわのビン。もう、メーカー名なんてわからなくても、ただそれだけで価値があるといっても過言ではない、そんな素敵なビンだ。


           
           

2つめは、こちらはちょっとモダンな、特徴的なデザインをしたインキ瓶。胴に横に平行の溝が刻まれ、一カ所にラベル用の窓がある。このデザインこそがこのビンの売りだったのか、底には「意匠登録」のエンボスもある。大きさは2オンスくらいの小瓶で、最初のがコルク栓なのに対して、こちらはスクリュー栓タイプ。もちろん古いものでもスクリュー栓のビンはたくさんあるが、全体の印象から時代的には少し新しいものに思える。時代的には戦後、昭和30年代くらいかもしれない。でも、このデザイン、悪くない。けっこう好きかも(笑)



彩る雲……海山日和
PILOTの丸瓶
            

2つ前の記事で、戦前の三大万年筆ブランドであったサンエスのインキ瓶を紹介したので、今回は三大ブランドの中のもう1つ、パイロットのインキ瓶を取り上げてみよう。パイロットは、1918(大正7)年に、東京高等商船学校(現・東京海洋大学)の教授であった並木良輔が創業した並木製作所(後、パイロット万年筆株式会社→株式会社パイロット→現・パイロットコーポレーション)のブランド名。「パイロット(水先案内人)」の名前は、並木の出身である東京高等商船学校に因み、時代の先端を切り開く水先案内人の意味もあった。また先に創業していたセーラー万年筆(セーラーは水兵、船員の意)への対抗意識もあったらしい。並木は、仕事で使っていた烏口(製図用ペン)に不満があり、自ら金ペン(金を含んだ素材で作られたペン先…当時のインキは酸性分が強かったため金を混ぜることで腐食を防いだ)の製造に成功。後に万年筆も製造販売し、日本の伝統工芸である蒔絵を施した万年筆が世界的な評価を受けたこともよく知られている。


          

さて、今回のインキ瓶。高さは64ミリ、底の直径は55ミリで、底には「PILOT」「MADE IN JAPAN」「2oz」のエンボス文字が3段で書かれている。パイロットのインキ瓶と言えば台形の瓶というイメージがあって、我が家でも子供の頃から父がその台形瓶を使っていたのをよく覚えている。今回の瓶はオーソドックスな丸底、円筒タイプ、しかもスクリュータイプの蓋だ。調べてみると、並木製作所が万年筆用インキの販売を開始したのは1926(大正15、昭和元)年。戦前の広告などを見ると、当時の瓶は丸底、円筒瓶だが、初期の頃は押し込み型の蓋(コルク式と同じタイプ)である。さらに調べると、ネット上にマル公マークのついたラベルで、丸底、スクリュー蓋タイプのインキ瓶を発見。マル公(○に公の字)マークは1939(昭和14)年から始まった価格統制令の指定商品マーク。今回のビンもおそらくその頃のものだと思われる。ちなみに、今回の丸底瓶。それほど多くはないものの他のコーマーやディガーさんは拾ってるようだ。でも、自分的にはやっとこさ拾えた嬉しい1品のひとつなんだよね。この素晴らしい硝子のユラユラ感、みなさんも楽しんでください!


              


不愉快です!……海山日和

FOUNTAIN PEN INK
            

とっても久しぶりにnanairoさんがブログを更新されていたので、その記事に便乗してみよう(笑)写真のインキ瓶は2年前に拾ったもので、肩の部分に「S」が3つ並んだ「S.S.S.」のエンボスがあることからわかる通り、サンエスのインキ瓶だ。僕のフィールドで拾えるインキ瓶は、メーカーがわかるものでは丸善か篠崎がほとんどで、それ以外はみなちょぼちょぼという感じ。サンエスは確か2個目だったはずで(1個目はボロボロで未紹介)、個人的にはけっこう珍しいものなので嬉しい一品なのだ。肩のエンボスは「S.S.S.」に続いて、今回のタイトルにもした「FOUNTAIN PEN INK」の文字。つまり、「サンエス万年筆インキ」である。大きさは高さ62ミリ、底の直径56ミリ。


          

サンエスは、1920(大正9)年に細沼浅四郎が製造販売を始めた万年筆ブランドで、同時に専用のインクも製造販売していた。当時の広告にほぼ同じデザインの瓶が描かれたものがある。ブリュウブラックとスカーレットの2色、2オンス入りで35銭だ。一方、万年筆は、戦前はスワン、パイロットに並ぶ3大ブランドと呼ばれていたという。海外にも輸出していて、ネットを探ると当時のカタログなども見ることができる。サンエスの由来は当時の広告によれば、SUN:隆々たる名聲は天に昇る旭日の如く STAR:品質の優良なる事星中の明星と輝き SEA:販路の擴まり行く事大海の際涯なきに似たり 是等の文字の頭を集めてS.S.S.…とある。販売元は、サンエス本舗・細沼株式會社となっているが、ほかにもサンエス株式会社という会社名も出てくる。同じブランド名を名乗っているので社名変更したか、グループ会社と思われるが詳細がわからない(細沼株式會社は戦後まもなく倒産)。細沼浅四郎という人物も、その名も「サンエス」という文芸・投稿雑誌を発行していたほどの名士であったようだが、断片的なことしかわからないのが残念だ。
和洋折衷
            

何年か前に海ハケで掘り出したもの。ちょっと渋めなグリーンの硝子、側面に刻まれた柔らかな斜行線と、ところどころに浮かぶ気泡の粒。僕が拾っているこの手のビンの中でも、これは特に美しいものだ。側面の3分の1は斜行線がなく平らになっているので、そこにラベルが貼られていたのだろう。底の径は59ミリ、高さは45ミリ。口の縁に小さな欠けがある以外は、ほとんど傷みもない美品だ。でも、このビンの魅力はそれだけではなかった。


          

ビンを洗ってクルリと底の方を見ると、そこに何とも美しいエンボスが刻まれていた! 底面は細かい凸凹が施されていて、そこに五弁花というか花紋の梅鉢のような文様がある。よく見ると梅鉢の中央はどうやら「開」の字を図案化しているようだ。ここで、もう気づいている人もいるかもしれないけれど、今回のビンは誰が見てもインク壜だと思うだろう。僕だってそう思った。でもそうは書いていない。実はこのビン、インク壜ではなく墨汁壜だったのだ。正体解明の切っ掛けになったのがrichoukenさんのコレクション。陶器の代用品だけど、同じマークが底に刻まれている壜には「開明墨汁」の名前がある。調べると開明墨汁は、1898(明治31)年に東京牛込で創業した田口商会(現・開明株式会社)の田口精爾によって発明された、なんと日本最初の墨汁だったのだ。このビン、おそらくは戦前、昭和初期くらいのものと思われるけれど、西洋から来たガラスと日本生まれの墨汁が組み合わさった“和洋折衷”みたいな存在だったんだね。


          


こちらもよろしく……海山日和
なで肩
            

最近、地元のポイントでは資源枯渇が著しく、ものが拾えない。しかもマイナーポイントまで、貝ではなく明らかにガラス系や陶片狙いのライバルも徘徊している。そんな中、8月に久しぶりに拾えた完品のインク壜。それにこのなで肩タイプは初めて見るものだ。年代的には昭和初期くらいと考えて間違いなさそう。当時は実にさまざまな形のインク壜が作られているのだけれど、僕が拾っているのはほとんどが通常の円筒タイプなので、これは嬉しい。底の直径51ミリ、高さ48ミリ。表面は擦れ傷だらけだけど大きな割れや欠けはない。壜底にはブランド名らしきエンボスがあるのだけど、凹凸が弱くてよく判別できない。「BUAN INK」あるいは「BOAN INK」と読めるようなのだけど、ネット検索ではヒットしないし、文字の意味も不明。今回のも数ある無名ブランドのインクなのだろうか。


          
インキ壜の中の星雲
            

このところの種子ネタ続きに飽きた人もいると思うので、ここらで一息(笑) 今年の春に地元の干潟で拾ったインキ(インク)壜。高さ75ミリ、底の直径65ミリ。エンボスなしの無名壜だけど、淡い緑色のガラス表面には型の跡らしき凸凹があって、それが絶妙な味わいを醸し出している。壜そのものの基本デザインは他のインキ壜と似ているけれど、一番の特徴は肩の部分の段差だろう。単純なデザインだけど、これもいい!

              
このインキ壜、モノ的にはそこそこ古いものだと思う。口の形状を見るとスクリュー栓だけど、戦前でもスクリュー栓の壜はあるし、戦前昭和初期か、戦後昭和20年代くらいのものだろう。干潟の泥に埋まっていたせいか銀化も起きていて、光の中でほのかに虹色に輝いて見える。表側から見てもなかなか綺麗なのだけど、ふと壜の中を覗いて見たら…そこには天体望遠鏡で宇宙を見たような、散光星雲の輝きが隠れていたよ。


          
飴色のアテナインキ
          

アテナインキは丸善が大正5年(1916年)に世に送り出した万年筆用の傑作インキ。古き良き時代の丸善のベストセラー商品であり、確か昨年には創業140年記念として限定復刻版のセピア色も発売された。丸善のインキ壜についてはこのブログでも何度か紹介しているように、海岸からも時々出てくる。またネットオークションなどでもよく出てくる。その中で、アテナインキはというと、壜の首から肩にかけて段差のあるタイプ、前に紹介したこれのようなデザインの壜がほとんどだ。少し時代が新しいと思われるスクリューキャップの小壜も基本変わらないし、前述の復刻版もこのデザインを踏襲している。で、今回の壜。肩には「ATHENA INK」のエンボスが刻まれているから、アテナインキに間違いない。でも、首から肩にかけては段差がなく、壜の色も飴色をしている。また、壜底にある「M」の刻印も周りにザラザラした凸凹がつけられているのだ。このデザインの違いは製造年度の違いなのか、それとも昔の限定版だったのか…。ちょっと変わったアテナインキ。光に透かすと、その飴色が暖かみを感じさせてくれてる。


       
無名インキ
          

拾った年月は違うけれど、ほとんど同じような場所から出てきた3つのインキ壜。壜の基本的なデザインと、淡い緑色のような、水色のような硝子の色は同じなのだけど、それぞれに少しずつ違っている。まるで血の繋がった兄弟のような、そんな感じがするインキ壜だ。正体をひも解く鍵になるようなエンボスは、何1つ付けられていないけれど、おそらく同じメーカーの同じブランドの品なのだろう。コルク栓タイプであることや硝子の質などから、戦前のものと思われる。


        

拾ってきた古い壜の素性、正体がわかれば、それは楽しい。でも、それはあくまで付属的なもので、硝子壜本来の魅力とは別のものだ。このインキ壜は今は何者でもないけれど、いつまでも眺めていたくなる魅力に溢れている。気泡の数や大きさ、位置、硝子そのものの歪みなどが相まって、何とも言えない個性を生み出している。現代の技術なら寸分の差もない完全に同じ硝子壜を生み出すことができるだろう。でも当時は、どれ1つとして同じものなど生み出さなかったに違いない。それって人間がみんな違っているように、とっても素敵なことなんだと思うな☆


        

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