2016.12.16 Friday
torafukebori 虎斑毛彫
やばいやばい、うかうかしてたら今月一度もアップしないで終わりそう…。もっと真剣にネタ拾いしないと! ということで、今回は5年前に拾ったトラフケボリ。出所は漁労屑です。でも、その場所も漁師さん廃業につき、もう拾えない…(泣) この貝、拾ったときはアヤメケボリ(写真下の右側2つ)かなと思ったのだけど、以前に拾っていたものと比べると明らかに違うので、その正体に気がついた。殻長は14ミリ。写真のとおり、拾った当初はかなり濃いめのオレンジ色(橙褐色)。ただし、ウミウサギガイ類の例に漏れず、今ではなんか肌色というか、薄い褐色に退色してしまっているけどね。殻の表面には、けっこうはっきりと「毛彫り」模様がついているのも特徴か。「虎斑」と言っても、残念ながら貝殻に縞々模様などはなし(笑) あったら、すごく格好いいんだけどね〜。ちなみに、名前の由来は外套膜の模様から。インパクト強いしすごく格好よくて、ダイビング中に初めて見つけた時は嬉しかったな。
*生態写真の提供は、友人でダイビングガイドの冨樫敬くん。伊豆の富戸を中心に活動しているダイビングサービス「富戸Dive空間 SAND.Y」のオーナーです。SAND.Yでは、ファンダイブはもちろん、フォトガイドダイブ、OW講習、体験ダイビングも可能だよ。ブログやFacebookページもあるので見てみてね。
2016.07.28 Thursday
灯台とツグっち
今回は敢えてこの1枚で。普通だと海を入れて撮ってしまうところだけど、この場所ならやっぱり陸側を向いて灯台を入れたいよね。もちろんヤラセなし。貝そのものも見つけた時のまんま。夕方前で、太陽と灯台の位置的に、ちょっと自分の影が入ってしまったのはご愛敬。今回は小一時間で4個。砂浜の前に岩場がある環境だし、荒い波で打ち上がったのだろう。ヒビなど少々痛み有りのものだけど、まあ良い成果かな。1年ぶりの御前崎ツグチガイ。
2015.08.29 Saturday
御前崎名物 !?…ツグチガイ
もう1か月が過ぎようとしているけれど、7月の終わりから8月の頭にかけて、静岡県の御前崎に行ってきた(その際の話はこちら)。現地集合の前に少し時間があったので、少し海岸を歩いてみることにした。御前崎は2012年の秋に訪れて以来2回目。その時は海がかなり荒れていて、遠州灘側の海岸はまったく歩くことができず、駿河湾側の御前崎海水浴場を歩いたくらいだった。でもストロンギロドンが拾えたりと思い出深い場所でもある。今回はとりあえず御前崎灯台下の小さな海岸に降りてみた。御前崎と言えば、昔Shigeさんも紹介されていたけど、これだよね!
貝好きには有名な御前崎のツグチガイ! しかしながら、その頃はまさに猛暑の真っ最中。浜辺に降りたはいいけれど、強烈な陽射しの中とてもじゃないけど砂なんて掘っていられない。肌はジリジリ焼け、汗が滝のように噴き出す。結局、浜にいたのは実質30分程度だろうか。それでも3個も見つかった。しかも1個は普通に砂の上に落ちていたのだ。さすがに地元ではこうはいかないな〜。現地の知人にまたぜひ!と誘われているし、次は少し涼しい季節に行ってみようかな。ちなみに1枚目の写真は遠州灘側の別の海岸。漂着物はすごく多いけど陸由来ものばかり。南方ものは中国浮きがわずかにあるだけだった。こちらもリベンジしたいね。
2014.02.01 Saturday
つぐっち!
少し前に、こんな場所に行ってきた。神奈川県の貝マニアさんなら大抵の人は知っているはずの有名ポイント(笑)まぁ僕はマニアさんほど真剣に貝拾いをしていないし、ここは漁港の漁労屑チェックのついでに寄るくらいで(てか、むしろ寄らない時が多い)、それほど馴染んだ場所ではない。でも、ここはあれが出るんだよね。つぐっちが! さほど真剣にやっていないとは言え、自分なりに拾いたい貝というのはある。つぐっちもその1つだ。つぐっち…つまりツグチガイは、ウミウサギガイの仲間でイソバナなどの刺胞動物八放サンゴ類に付いて生活している貝。ウミウサギガイの仲間はこのブログでもいくつか紹介しているけれど、ツグチガイにはどうも縁がなかったのだ。
もちろん、この場所には過去に何度か来ている。でも基本的についでで時間も限られているし、じっくり探すのも面倒くさいので(笑)、殻口の割れた未成貝を1個見つけたことがあるだけ。今回はじっくり…それでも小一時間だけど、頑張った。結果、ありましたよ! 殻口下部が割れている13ミリ、そして10ミリ、9ミリの計3個(上の写真は9ミリの)。去年のタコブネやアオイガイじゃないけれど、これでまた1つ長年の課題をクリアした感じ。これに関しては、もう少しまじめにやれば、とっくにクリアできた課題かもしれないけどね(笑)それにしても、このツグチガイの色は魅力的だね。ピンクのようなマジェンタのような…。宿主の色でもあるコーラルピンクというのが正しいのかな。黄色っぽいのや白っぽいのもあるそうだけど、いつか出会えるかな〜。
黒くて太くて長いの……海山日和
2012.01.22 Sunday
azumakebori 東毛彫貝
2009年の春くらいに拾ったアズマケボリ。ネタとしてはずいぶん寝かしてしまったのだけど、出会ったのはこの時1度、これ1個きり(上の写真は同一個体の表裏)。赤紫色の縞模様が美しく、後管溝が尖った感じでなかなか格好いい!とは言え、殻長はわずか9ミリ。細身なので数字以上に華奢に見える。前に紹介しているスミレコバレバケボリ(写真下の左)によく似ているけれど別属で、生体の外套膜などもまったく違うようだ。名前はウミウサギ類の先駆的研究者に対する献名。こういう格好いいウミウサギにまた出会いたいな〜。ちなみに下の写真は昨年に撮り直したもの。2年間でこれだけ色が抜けました(笑)
2011.05.29 Sunday
オトナになんてなりたくないっ!
すっかり久しぶりになってしまったうみうさネタ。ウミウサギガイの仲間は冬から春先にかけて拾えることが多かったのだけど、今(2010〜11)シーズンもまったくと言っていいほど何も出なかった。そんな時、先月やっと拾えたのがベニキヌヅツミガイ(写真手前)。船揚場の漁船の下にコロッと転がっていたもので、ホント踏まれなくてラッキー☆ 昨シーズンに拾えたの(写真後ろ)も、場所は違うものの状況はまったく同じような感じで、不思議なものだね〜。今回のものは殻長3センチほどで、これも昨シーズンのものとほぼ同じ。ただ違っているのは、今回のものはまだ未成熟なこと。貝殻の殻口部が完全に巻き終わっていないのだ。若干、縁の部分が形成されかけているようにも見えるけれど、まだまだな感じ。どうやら、この3センチというのが、この貝が相模湾で成熟しきる境界のサイズなのかも。ウミウサギ類の多くは相模湾が分布の北限なので、成熟に時間かかるのかもね。ちなみに、昨シーズンに拾ったベニキヌヅツミガイ、1年間でこんなに色が抜けました。なんか使用前、使用後…みたい(笑)
2010.10.22 Friday
華やか毛彫
ゴージャスという名を持つケボリガイ。しかも、漢字だけでは名前が表示できない(笑) とは言え、淡いオレンジ色の地に濃いオレンジ色の流紋(虫食い状紋)が入ったその姿は、ハナヤカケボリの名前に恥じない美しさだ。多分、宿主との関係なのだろうけど、個体によっては色がピンク系のもの、地色が白いものなどがある。ガイドブックには貝殻が少し角張った感じに膨らむものも載っている。残念なことに、この貝も2年近く経過して地色が褪せてしまったけれど、模様の方はまだくっきり残っている(写真は拾った後、すぐに撮影したもの)。大きさ(殻長)は9ミリ。小さいと思われるだろうけど、成体としてほぼ上限くらいのサイズらしい。見つけた時は、砂の中でもその華やかさでパッと目を引いた。拾っているのはまだこの1個だけなので、またぜひ出会いたいな☆
2010.06.01 Tuesday
紅絹包貝
うみうさは何故か秋〜春シーズンに拾えることが多いのだけど、09〜10シーズンは目新しいものが出なかった。しかし、唯一にして大当たりだったのが、このベニキヌヅツミガイ☆ この貝自体は今までにも何個か拾っていた。でも、そのどれもが完全に殻が巻き終わっていない幼貝ばかり。それがやっと、年明け早々の1月に完全な貝殻を持つ成貝を拾えることができたのだ。殻長は34ミリで、欠けも傷もない美品! こんなものが船揚場のコンクリートスロープにポロッと落ちていて、もう少しで踏んづけるところだったよ(笑) 貝殻中央に淡色帯があるモノは昔はシロオビキヌヅツミと呼ばれていたけど、今ではベニキヌヅツミと同種とされている。色彩にも変異が多く、他にもいくつかのタイプがあるようだ。
2枚目はもう何年も前、城ヶ島でダイビング中に拾った幼貝。幼貝はみんなこんな風に、殻口の縁が途切れたような感じなのだ。色が薄いのは、そういうタイプなのか時間が経過しているためか…。それでも初めてのベニキヌヅツミだから思い出深い一品だけどね。そして3枚目は水中の生態写真(一応、自分撮り)。刺胞動物のヤギ類に寄生していて、生時はタカラガイ類と同じように外套膜で貝殻を覆っている。これは擬態効果があると考えられているけど、うみうさ類の外套膜は華やかな色彩の宿主に合わせているから結構キレイ。なので写真の被写体としても人気があるよ。
2010.03.16 Tuesday
叢雲小玉兎
うみうさを拾い初めて2年目。大きい方は最初の出会いでホソテンロクケボリなどと一緒に拾い、小さい方はそのしばらく後に拾ったもの。多い種類かなと思ったら、その後はパッタリ出会えない、そんな子。大きい方は7ミリ、小さい方は5.5ミリと小さい。名前は表面の焦げ茶色の模様を、叢雲=群がり立つ雲に見立てたもの…なんだけど、このタイプは研究者によってはクモリカメガタケボリ、あるいはその近似種とされることもあるようだ。典型的なムラクモコダマウサギに比べると、貝殻は少し細めで模様もかない濃い。でも日本のO大先生は同種とするみたいです。資料や写真がないのでわからないけれど、外套膜などが同じなのかな? 違いと言えば、僕が参考にしているウミウサギ類のサイトではムラクモコダマウサギは色褪せが早いと書いてあるけれど、これは色は褪せない。同じ時に拾ったホソテンロクケボリがすっかり色褪せたのに、これはほとんど変わってないよ。
2010.01.28 Thursday
山羊さん鶏さんの贈り物
昨年のクリスマス・イブに海から貰った贈り物の2つ目はうみうさ〜☆ 上の写真右はテンロクケボリかホソテンロクケボリのバリエーション(Var.)と思われる。背面の周囲に縁取りが無いように見えるけど、多分ホソテンじゃないかと思う。ただ、これについては資料がなさ過ぎてよくわからないのだ。参考にしているサイトの写真を見る限り、ホソテンの方が色彩のVar.が豊富みたい…というだけ(笑)詳しい方がいましたら、ぜひ教えてください。さて写真の左の方はアヤメケボリ。前に紹介したものより少し色彩の違うタイプだ。表面が擦れているけど、元の色彩もさほど違わないだろう。今まで得ているのはみな前の赤みの強いタイプで、この色は初めて。でも、これの方がアヤメの花の色だよね。下の写真はそれぞれの殻口側。大きさはホソテンが10ミリ、アヤメが11ミリ。ちなみにタイトルはアヤメケボリの宿主が刺胞動物のヤギ類(正しくは海楊)、ホソテンロクケボリの宿主がウミトサカ類(海鶏冠)だから(笑) この冬シーズンは実はこれが初うみうさだったので、喜びもひとしお!
まだ続くよ!(笑)
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