時計はチクタク?
いやいや、時計は「チウチウ」なのだ(笑) 7年ぶりに出会うことができたトケイチウチウニッキ。2010年に拾ったものは、首の部分が割れたものだった。でも今回のは、口の部分に小さな欠けがあるものの、ほぼ完品。擦れも少なく、状態はとても良い。前回のものは台風の後に拾ったものだったけれど、今回のものも拾ったのは関東南部の海岸に小さくない被害をもたらした台風21号の後。今回の台風21号は海岸を歩けば歩くほど、あちこちで被害が目につくのだけど、その一方で台風でも来て海岸が洗われないと、硝子壜などを拾うのが難しくなっているのも正直なところ。被害は少なく成果は大きく…が望むところなんだけどね。ところで、このトケイチウチウニッキ、ネットで検索しても未だに、自分の前記事とかの有名なディギング団さんのほかには、1件ヒットするだけというレアもの。マイナーな小さな会社のもので、販売量も少ないとか、販売期間も短かったとか、そんなものだったんだろうね。2枚目は同じ日に拾ったウイスキー型ニッキと一緒にパチリ。

みかんさん
先月下旬のプチ遠征。実は銚子・波崎に行く前の夕方、南房総の某ポイントにも立ち寄っていた。南房総も、昔ほどものが出なくなっているけれど、それでもたまに行けばひとつくらいは何か拾える可能性がある。そこで海岸の土の中から掘り出したのが、首長タイプのみかん水壜(上の写真の真ん中)。地面には胴の一部が見えていただけで、あまり期待もせずに掘り出したら“当たり”だったわけだ。このタイプのみかん水壜では3本目。地元で1本、南房総で2本だ。


高さは13センチ、底の直径が4.5センチで、サイズ的には前回、南房総で拾ったものに近い。残念ながらエンボス文字はないけれど、気泡がポツポツあって、ガラス内に混じりもの(ゴミ)もある。底も歪んでいて、一応は安定しているものの、触れればガタガタする。つまり、古い硝子壜の魅力は十分に備えているのだ(笑) 最近はどこも資源枯渇が著しく、びーちこでの壜拾いは諦めモードが漂っていたけれど、久しぶりの成果にちょっと胸熱だったよ。
大日本ジュース
この春に拾った清涼飲料壜。実のところ、僕はこの手の清涼飲料壜を普通は拾わない。時代的にほぼ昭和30年代からのものだし、置く場所もとるからだ。ガラスものを拾い始めたごく初期に、エンボスコカコーラとフレッシュドリンクを拾ったくらい。ペプシコーラの古いタイプにも何度か出会っているけどスルーしている(1本くらいあってもいいけど)。でも、さすがにこれはスルーできなかった。だって見たこともないエンボス文様。そして名前はなんと「大日本ジュース」! 字面が似ているからと言っても、もちろんマッサンの大日本果汁(現ニッカウヰスキー)のものではない。エンボス文字も多彩。2か所の名称の上にはそれぞれ「意匠登録110596」。名称の下には「ODAWARA YAMAZAKI SOFT DRINK PLANT」。エンボス文様を挟んで一番下には「NET CONTENTS 200cc」が2か所に入っている。

エンボス文字から、これは神奈川県小田原市で製造されたとってもローカルな清涼飲料だということがわかる。製造所は意匠登録番号の検索を元にしておよそ調べがついた。製造会社は大正10年創業のサイダー製造会社で、山崎鉱泉所。意匠登録の申請、認可は昭和29年だった。エンボス文様についてはみんなピンと来ていると思うけれど、これはミカンの断面に違いない。神奈川県西部、小田原から根府川、真鶴あたりはミカンの生産が盛んなので、おそらくは地元のミカンの果汁かフレーバーを使ったジュースだったのだろう。ちなみに山崎鉱泉所を調べると、数年前まではゴルファー専用の清涼飲料などを製造販売していたようだ。ただ地元商店会HPでは業種は駐車場になっている。また清涼飲料の受託製造をしている富士ボトリングという会社が、この山崎鉱泉所を母体にしているようだ。代が替わって多少の変化はあるけれど、ローカル清涼飲料製造の魂は受け継がれているみたいだね。がんばれ、地元企業!

春の蜜柑
日中に潮がよく引く春から初夏にかけては、ものを拾うには良い季節。以前のようにはものが出なくなったとは言え、既知のポイントは一通り巡回する。まあ違う季節でも巡回するんだけどね(笑)そんなこの春の一発目。干潟の片隅で見事に擬態していたけど見逃さないよ。ものは大好物の子供飲料・みかん水。このブログでは既に何回も登場しているので見飽きたかもしれないけど、これがこのあたりでの定番形なのだ。これまでに「宮脇製」エンボス1本、「大関製」2本、「みかん水」1本(ただし底割れ)、無エンボス1本と、ほぼ同形のものを数本拾っていて、微妙にデザインの違うものも1本拾っている。その一方で一般的にみかん水壜として知られる首長壜は、地元では1本しか拾っていないのだ。今回のものは残念ながら無エンボス。しかも全体に擦れていて状態もあまり良くない。でも、こういうのを見つけた時の胸の高鳴りは堪らないものがあるよね。やっぱり自分は“拾いもの”が大好きなんだなぁ!

やっと見られた!……海山日和
エアケイよりも…
昨年は錦織圭選手が大活躍だったね。まさか男子ATPランキング一桁に入る日本人が現れるなんて、夢にも思わなかった。今年もきっと活躍してくれることだろう。でも、僕にとってヒーローなテニスプレーヤーはビョルン・ボルグ。全仏ローランギャロや全英ウィンブルドンでのジミー・コナーズやジョン・マッケンローとの激闘に、深夜までテレビにかじりついて胸を熱くした。当時、軟式テニスをちょっとやっていたんだよね。愛用のラケットはミズノのブラックジャック。ガキが持つにはちょっと高いラケットだったけど、無理して買ったんだよな〜。…と関係ない話はこれくらいで(歳がばれそうだし 笑)今回のは惜しい、惜しいテニスラケット型ニッキ水壜の欠片。飲料ビンとしては立たないし、このデザインでは金平糖ビンが知られているけれど、どう見ても金平糖が入るような口の大きさも内部の容量もない。グラニュー糖なら入るけどね。なのでニッキ水壜なんだろう。柄の方は地元・神奈川、ネット部分は千葉で拾ったものだけど、この先いつか完品が出てくれるかな〜。完品が出るのが先か、錦織選手が四大大会初制覇するのが先か、さてさて。
ちびにっき
この秋に拾った小さな硝子壜(写真手前)。高さは50ミリ、底の直径は13ミリしかない。小さな壜だけど造形はけっこう凝っていて、底の形は六角形、口の下、首の部分に凸部があり、その下の胴体は真っ直ぐではなく微妙で緩やかな曲線を描いている。エンボスはないけれど、十分に存在感のある壜だ。擦れや汚れもあるけれど、かすかに虹色光沢を見せる魅力もある。これに似たものは過去に拾っていて、それが写真に一緒に写っている壜。大きさも造形もよく似ている(1カ所に金ヨのエンボスあり)。ビンマニアさんなどのブログなどによれば、これはニッキ水の壜になるらしい。とは言え、この大きさではゴクゴクと飲める液体が入っていたはずもない。おそらくは甘くて強いニッキ(ハッカ)の味がする、トロリとした液体が入っていたのではないだろうか。喉の渇きを癒すと言うより駄菓子のハッカパイプ的なものだったのではと思う。まあその正体がなんであれ、こういった小さくて可愛い硝子壜は大好きなので、もっともっと拾いたいな!

こちらも更新中……海山日和
つぶつぶ
今回は先月の千葉行きの際に拾ってきたニッキ水壜。見つけた時はうわ〜っ!と思ったのに、すっごく惜しいけれど口先部分が割れて喪失。近くを探したけれど、割れた口先部分は見つけることができなかった。それでも今までに見たことのないタイプだったし、全体の8割が無事なのでお持ち帰り。形としてはニッキ水壜では定番のラムネ壜形だけど、見ての通り全体にまんべんなく散らばるつぶつぶ…というかブツブツの滑り止め突起が大きな特徴だ。これはかなり珍しい。


高さは割れ口の最高点までで83ミリなので、元は10センチくらいあったと思う。滑り止め突起の他には、片面に屋号と思われる二重の山に「榮」のエンボス文字。「やまえい」と読むのだろうか。そして、その屋号の下には製造者名の「榎本」のエンボス文字がある。この名称は、あるディガーさんのブログで見たことがあるけれど、壜のタイプはまったく違っていた。でも、複数種類のニッキ水壜を作っているほどだから、そこそこ流通量のあったメーカーだったのだろう。この時は、すぐ近くで土に埋まったニッキ水壜を発見したのだけれど(口先の一部が見えていた)、掘り出そうとしたら土の圧力でビンの形のまますでに粉砕していた。そんなショックの後だっただけに、たとえ割れビンでも光り輝いて見えたよ(笑)
台風の後は?……海山日和
少ない量を長く楽しむ?
これは昨年の秋に千葉で拾ったもの。高さ8センチ、底の直径が3センチの、ちょっとずんぐりした形だ。側面1カ所にシール用の窓があり、首の途中から下側に滑り止めの細かい格子状エンボスが施されている。何のビンかちょっと迷う形だけれど、一般にはニッキ水壜とされている。こちらでは比較的よく出てくるタイプらしく、他のコーマーさんやディガーさんのブログなどでも見かけるし、僕自身は2本目。前のは擦れ擦れだったけれど、これはとても状態がよい。

ニッキ水のビンに共通するのは、とても細い首と小さな飲み口をしているということ。この形は空気が入りにくく、中身がなかなか出てこないので、少ない量でも長く楽しめる工夫なのだと思う。代表的なヒョウタン形ビンはまさに理想型なんだろう。さて、今回のビン。注目すべきはビンの中に入っているもの。これはコルク栓にゴムかなにかでコーティングされた針金がついたものだ。針金がついているため、コルク栓は常に内側の首の位置にある。ビンを洗っていて気がついたのだけれど、水を抜こうと思ってビンを傾けても、コルク栓が邪魔をして中身が出てこないのだ。これって、もしかしたら少ない中身を長く楽しむための工夫の1つ? ビンの時代は定かではないけれど、新しくても昭和30年代くらいだろう。針金が本当に当時のままのものなのか、針金とか入っていて食品衛生上OKなのか、そもそもコルク栓は外側に抜くものではないのか…という疑問は多々あるけれど、これってちょっとおもしろいよね。