2010.11.17 Wednesday

眼鏡っ子

      

というより、太眉おじさん?(爆) タイトルはこのカニの名前がメガネカラッパだから。目の後方にある半円模様を眼鏡に見立てたものだ。甲羅の上から見れば確かにそんな風だけど(写真下)、正面から見たら超ユーモラスな素顔が見えてきた(笑) もちろん、この模様が特徴なのだけど、ハサミ脚にも大きめの丸い斑紋があってよく目立つ。このメガネカラッパは背甲だけだけど、漁港内で拾ったので刺し網の漁労屑由来のものだろう。分布は東京湾以南の太平洋側と、福井県以西の日本海側で、普段は海底の砂地で暮らしている。


        

以前に紹介したトラフカラッパと比べてみよう。トラフカラッパは甲幅(一番幅のあるところ)で約10センチ。今回のメガネカラッパは約8センチ。2センチって大した差ではないように聞こえるけれど、実際のボリュームで見るとこんなに違う。と言っても、メガネカラッパも同じくらいまでは成長するようだ。トラフカラッパは身入りだったため漂白処理に時間がかかり、色は少し白くなっている。元々は今回のメガネカラッパに似た感じだった。また2種類の模様以外の特徴は、トラフカラッパの甲羅は後縁縁6歯、後縁に3歯のトゲがあり、メガネカラッパでは同4歯と7歯あるという部分で違いがある。こんなおもしろいカラッパの仲間、もし甲羅を見つけたら観察してみてね☆


      


いかんぜよ!……海山日和
2010.07.10 Saturday

からっぱ

   
                                PA,PA,PA,PA、Calappa!

            
      Oh!Yeah! Oh!Yeah!

   

漁労屑の中にこのカニを見つけた時、迷わず手に取った。辺りを見回すと両方のハサミ脚もある。トラフカラッパ。このカニの甲羅はずっと欲しかったんだよね☆ ドーム型というか、旧ドイツ軍のヘルメットというかそんな形の甲羅に、着物の袖のような幅広いハサミ脚。それをぴったり体につけると、完全に半円形になってお腹側が守れるという理想的な形状だ。この仲間、昔は一般にマンジュウガニと呼ばれていたようだけど、別のグループの名前と紛らわしいので学名の属名からカラッパとなった。その不思議な響きのカラッパとは、インドネシア語でヤシの実を意味する「kelapa」が語源だとか。しかし、持って帰ってからが大変!なにしろ甲幅が10センチもある大型種。しかも捨てられてまだ数日の“鮮度”。つまり、中身たっぷり…。もうね、絶対カニなんて食べたくなくなるくらい臭い(笑)それでも甲羅の方は歩脚が取れて穴が空いていたせいで楽だったのだけど、問題はハサミ脚。実はこのカラッパ、ハサミ脚にも大きな特徴がある。下の写真を見てもらうとわかるのだけど、左右で形状が違うのだ。右のハサミ脚は可動指の付け根に突起があって、それを缶切りのように使って貝類の殻を割ることができるスゴいヤツなのだよ。それを何日間も水に浸けてベランダに放置。そしてやっと中身が抜けて、ここにお披露目!Oh!Yeah!Calappa!


       

      みなさんのコメントがブログ更新のモチベーションです。よろしくお願いします♪
2010.05.24 Monday

棘11本

    

今年の春先、珍しく鎌倉の材木座海岸で打ち上げ物の中から微少貝を探していると、見慣れないカニの甲羅に気がついた。丸いドーム型の甲羅からコブシガニの仲間であることは容易に見当がついたけれど、種名がわからない。まったく初見の種類だ。甲長、甲幅とも約2センチ。特徴はその赤い色と、甲羅を覆うトゲ状の微細な突起。そして甲羅の外縁には最大の特徴である数本のトゲが並んでいる。額部分の歯を除くと、左右それぞれに5本ずつ、そして甲羅の後端中央に1本の計11本だ。早速、持ち帰って図鑑で調べてみると、特徴的なだけにすぐ名前が判明。その名も「ジュウイチトゲコブシガニ」…って、そのまんまじゃん(笑) 生息水深が20メートル以深(〜200メートル)と深く、ほとんど夜行性なため今まで見ることがなかったのだろう。海岸の打ち上げや漁労屑でも、こうやって見たことのない生き物を知ることができるんだよね☆


    


干潟などの浅い場所でよく見られるコブシガニの仲間はこちらへ……海山日和
2008.11.24 Monday

宇宙怪獣ゼブラ !?

  

体中から突き出たナイフのような突起に特徴的な縞模様…。まるでウルトラマンに出てくる宇宙怪獣のような姿。少しメカっぽささえ感じるこの生き物は、名をゼブラガニという。ゴカクガニ科のカニで、甲の幅が1センチ強の小さなカニである。これは脱皮殻で、左側の第一歩脚が取れている以外はほぼ完璧な状態。まぁ、とにかく見てやってください。このカニ、もう〜超カッコイイんだもん☆


    
    
    


このゼブラガニの脱皮殻は、なんと三浦半島のとある海岸で拾ったものだ。なぜ“なんと”なのか。それはダイビングをしている人ならわかってもらえるはず。実はこのゼブラガニは、イイジマフクロウニやラッパウニという、棘に猛毒を持つウニに寄生するカニなのだ。とは言っても、それらのウニを見れば必ずいる…というものではない。けっこう珍しい上に、イイジマフクロウニなどは通常、水深20メートルより深い場所に棲んでいて、出合う機会も限られる。あるダイビングポイントの浅い水深でこのカニが見つかれば、大人気になること請け合いのカニなのである。その脱皮殻が、海岸の水深十数センチの場所で拾えるなんてことは、もう奇跡的としか言いようがない。ダイビングしていたって、拾う機会などほとんどないだろう。しかし、それなら脱皮殻がなぜ海岸で…? これはおそらく漁労屑が関係していると思う。海藻などに引っ掛かっていた脱皮殻が、刺し網によって引き上げられて海岸に落ちたのではないだろうか。それにしたって天文学的確率かもしれないけどね(笑)
2007.06.09 Saturday

オキナガレガニ

    

「沖流れ」の名の通り、流れ藻に乗って漂流しながら暮らす珍しいカニ。これは南房総のとある浜辺で拾ったもの。エボシガイのたっぷり付いた瓶を見ていたら、その横の海藻にポツンと乗っていたのだ(その時点ですでにお亡くなり)。イワガニの子供?と思ったけれど*、その時点でもしや…とは思っていた。帰ってから調べてみると、甲羅の前縁が真っ直ぐで、歩脚が平たく毛(遊泳毛)が生えていたりと、特徴が一致した。しかも、歩脚にはエボシガイまで付いている(笑)  *オキナガレガニはイワガニ科の仲間
その昔、新大陸探しの航海中のコロンブスは、船員達の不満が高まった時にこのカニを見つけて、「カニがいるから、陸地が近いぞ!」と励ました…という逸話がある。そんなオキナガレガニは、やがては腐って消えてしまう流れ藻に乗って、どうやって子孫を残すのかなど、生活史は謎だらけなのだ。
2007.05.14 Monday

コアラのマーチ♪

  
おや、こんなところにコアラの親子が…って、そう見えません?(笑) 実はこれ、ジャノメガザミの甲羅。ジャノメは蛇の目で、甲羅に3つ並んだ目玉模様を意味している。房総半島以南の暖かい海にすむカニで、ほかのガザミ類同様に食用になる。甲羅の左右に鋭く突き出したトゲは、ほとんどのガザミ類に共通する特徴。海岸ではガザミやタイワンガザミほどではない気がするけれど、たまに見かける感じかな。3つの目玉模様があるから目立つし、見分けるのも簡単。ただし、生きている時や拾ってすぐは、甲羅はオリーブ色をしている。でも、色素が日光ですぐに退色してしまうので、コアラの色みたいになっちゃうのだ。
2007.03.05 Monday

マゾなカニ?

       

エッチの次はマゾですか!?(爆) 2月5日にエッチなカニ=ヒラツメガニの甲羅を紹介したけれど、今日の甲羅はモクズガニ。なんとこのカニ、拾ってから気がついたのだけど、甲羅の中央に見事な「M」の文字が! 名前の頭文字もちょうどMだし、偶然とは言えおもしろいと思いません? モクズガニは川ガニ。でも、秋の産卵期になると河川の下流や海岸に降りてくるので、力尽きて死んだものが打ち上がるのだ。ハサミ脚に毛が生えているのが特徴で、それが名前の「藻屑」の由来でもある。モクズガニは美味しいカニで、郷土料理に出てくることもある。中華料理で有名は上海ガニは、近縁の親戚。でも、肺臓ジストマの中間宿主なので、生で食べると大変!(普通は生で食べないけど)。ぶつ切りにして味噌汁というのが定番のようです(笑)
2007.02.05 Monday

エッチなカニ

      
エッチと言っても女好きだとか色情って訳ではない(爆) じゃあ何がエッチかって? それは甲羅の中央に白く刻まれた「H」の文字。これは、そう。あのスーパーマンの胸に輝く「S」の文字みたいじゃないか! このカニはヒラツメガニ。ガザミなどと同じワタリガニ科のカニだ。食用にもなり、この甲羅の特徴から漁業流通関係では「Hガニ」とも呼ばれている。あまり普通の魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーには並ばないけれど、以前、千葉の銚子で魚を扱うお土産屋さんに立ち寄ったところ、ちゃんと箱詰めにして売られていた。でも、けっして珍しいカニではなく、意外にどこにでもいるので、港や堤防で仕掛けを使って獲っている人もいると聞く。甲羅も、海岸に普通に打ち上がっているよ。
2006.08.19 Saturday

波間のダンサー

      
砂浜海岸の定番中の定番。みんなが知ってる、みんなが大好き!なキンセンガニ(笑) 砂地のカニらしく、ベージュの地に胡麻塩やまだらの模様。脱皮殻だけでなく死骸も多いのは、やはり気候条件の厳しい浅場にすむためかな。生きたものを見かける機会も多く、子供のカニが波打ち際で波に洗われは慌てて砂に潜っていたり、潮が引いたときに取り残されてオロオロしていることもある。このカニは、歩脚の先が平たくなっていて、砂に潜るときのシャベルや泳ぐときのオールの役割をする。そこのところは、海岸で見つけたらぜひ確認してもらいたいポイント。波間でヒラヒラ泳ぐ様は、ちょっとしたダンサーのようだ。
2006.05.25 Thursday

スベスベマンジュウガニ

     

海岸に打ち上げられるカニの定番の1つ。4月 19日に紹介したヘリトリマンジュウガニとは同科同属の仲間だ。厚みのある饅頭のような体で、名前の通り、甲羅がスベスベしているのが最大の特徴。写真では甲羅に赤みがあるが、生きているものや打ち上がったものは、もっと暗色に見える。
 実はこのカニ、毒を持っていることでも、よく知られている。しかも、その毒はフグ毒と同じテトロドトキシン。人の命を奪うほどの猛毒なのだ。でも、昔から疑問だったのだけど…このカニ、どう見たって美味しそうに見えない。このカニを間違って食べるの? 大昔から伝えられてきた経験則? どちらにしても、痛い目に遭うのは、自然に親しんでもいないくせに、食い意地ばかりはってる人だろうね。
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