2016.08.13 Saturday

あなたの足の下に…

          

今は夏、海水浴シーズンまっただ中! 老若男女が歩き回るその砂浜に、おもしろい拾いものが隠れていることを知っている人は少ないはず。そのおもしろい拾いものとは、有孔虫だ。と言われても…と戸惑っている人がほとんどだと思うけれど、有孔虫とは石灰質の殻を持つアメーバ様の原生動物のこと。化石としてはかなり知られていて、示準化石(その化石が含まれる地層が堆積した年代を示す)や示相化石(その化石が含まれる地層の堆積環境を示す)として重要になっている。大昔の海中にその殻が大量に沈殿して、今の石灰岩の元になっていたりもするのだ。もちろん有孔虫は現代にもたくさん生息していて、日夜その殻が海底に沈殿している。その殻を拾っちゃおう!という訳だ。


          

方法は簡単。海岸に行って、フィルムケース1杯ほどの砂を持ち帰ってくるだけでOK。ただし、なるべく大きな川が近くにない海岸で、あまり人に踏まれたりしていない場所(波打ち際近くを少し掘るといい)で採集するのがポイントだ。持ち帰った砂はよく乾かして、あとはひたすらルーペを覗いて探すだけ。ルーペは10倍前後の倍率がほしい。写真のものはフィルムのチェック用に使っていたもの。かなり根気の要る作業だけど、顕微鏡を持っていれば少しは楽になるはず。


        
        

海岸の砂から見つかる有孔虫の殻の大きさは、ほとんど1ミリに満たず、むしろ0.5ミリ以下のものが多い。でも微細な砂粒の中に、貝殻とはまた違う、明らかに生きものが生み出した造形物を見つけると、かなり興奮する。しかも、種類も1つだけでなく、形や模様の違うものが複数見つかるのだ。写真の矢印を付けた先に有孔虫があるのだけど、わかるかな〜?


        
        
        

さらに拡大して撮影したのもの3種類。もっとくっきり撮りたかったけれど、うちのルーペとコンデジではこれが精一杯。それでも種類の違いがはっきりわかるでしょう? しかも、1枚目のとか、けっこうきれいだったりする。ちなみに3枚目の右に写っているのは、爪楊枝の先端だよ。つまり、爪楊枝の先端が平らに見えるくらい拡大して見ているってこと。


        
        

有孔虫で一般に知られているのは、あの沖縄のお土産として瓶詰めとかで売られている「星の砂」だ。星の砂には主に2種類あって、本当に星形をしたホシノスナ(写真上で、トゲが鋭く穴がポツポツある方)と、太陽みたいな形のタイヨウノスナ。これでちゃんと生物名なのだ。写真下は今年の春に西表島で採集してきたもの。ほとんど星の「トゲ」の部分が摩耗して丸くなっているけど、砂のほぼ全てが有孔虫の殻でできている。また違う種類の有孔虫もけっこう混ざっていて、ルーペを覗いていると本当に楽しくなってしまうよ。ちなみに白い円盤形のはやはり現生有孔虫のゼニイシだ。この記事を見て「おもしろい!」と思ってくれた人は、ぜひ自分でも試してみてね〜。

2016.04.22 Friday

西表島の拾いもの・琉球猪の牙

           
        

ちょっとバタバタしていて更新が滞っていてスミマセン! まだ続くよ西表島の拾いもの編。取材のために西表のとあるマングローブ干潟を歩いていたときのこと。足元にこんなものがゴロン。こ、これは、リュウキュウイノシシの頭骨だ! 一部は破損して、下あご部分はないけれど、なかなか立派なもの。すごいものが落ちてるな〜と思い、写真をパチリパチリ。さすがに持って帰るのは大変なので、さらに先を進んで行くと…


          

今度は下あご部分がゴロン。そしてそこには立派な牙がキラン。あ〜これはつまり天啓だよね? そういうことだよね?


        

と言うわけで、拾ったよ(笑) 長さは5センチにもならない小さなものだけど、なかなかいい記念品になったよ☆


        
2016.03.15 Tuesday

The Day of Teeth

          

このところ天気が安定せず曇りや雨の日が多い。しかも気温は低めで、春が足踏みしているみたい。今日は久しぶりにすっきり晴れたので、海岸へ出かけてみた。砂が少し波に削られたようで、浜には小石や貝殻の欠片などが多く打ち上がっていた。おっと、歯だ! 馬かな牛かな? 歯根の長さ10センチはあるような立派な歯だ。でも、これは拾わず。まあもう家に同じようなサンプルがあるからね。しばらく歩いて行くと、波打ち際近くで…。


          
          

これは久しぶりの切歯(門歯)だ。近年、鎌倉名物・馬の歯もすっかり少なくなった。それでも最初に見つけた臼歯は1年に1〜2回くらいは見ていたかな? でもこの切歯は数年ぶり。前にこのブログで紹介したのが2009年だから、もう6〜7年出会っていなかったことになる。鎌倉は一時期あまり歩いていなかったし、最近は青磁狙いだから、この手のものは見逃している可能性もあるけど、それにしたって久しぶり。もちろん、これはお持ち帰りだよ。


         

う〜ん、やっぱり格好いいね!


2013.10.08 Tuesday

小さなアルバトロス

        
        

もう1ヶ月以上過ぎてしまったけれど、実は8月末の千葉行きの際に、もう1つ拾いものがあった。海岸を歩いて最後に見つけたもの…それは大きな海鳥の死骸。最初、片側の翼だけが落ちていて、オオッと思ったらさらに数歩先に本体があった。その大きさからも一目瞭然。コアホウドリの漂着体だ。これはさすが外房といったところだろう。地元神奈川ではこの鳥の漂着はかなり稀だと思うし(今年は少なくとも2例はあるようだけど、普通は1〜2年に1度あるかどうかくらいの頻度だと思われる)、僕は実際に見るのが今回初めて。けっこう憧れていた漂着ものの1つだったのだ。今回見つけたものは漂着から日数も経っていて状態もそれほど良くなさそうだし、千葉県なら漂着も、飛来例もそこそこあるだろう…ということで、頭骨をお持ち帰りさせていただくことにした。もちろん頭骨がほとんど白骨化していたからでもある。


          
               

持ち帰った頭骨を数日間、除肉、漂白処理したものがこれ。それにしても、さすがに大きい。嘴の先から頭の後ろまで、長さは約165ミリ。嘴も立派だ(嘴の先には嘴を覆っているケラチン質部分を残してある。これがなくなるとアホウドリらしさが減る気がして…笑)。下の写真、手のひらの上で手前にあるのが、初夏に大量漂着することで知られるハシボソミズナギドリの頭骨だから、コアホウドリの頭骨の大きさがどれくらいかよくわかるだろう。もちろん、オオミズナギドリやカワウなどの頭骨もそこそこ大きいし、長さ的には同じくらいあるけれど、やはり頭部のボリューム感が違う。でも、いくら大きくても手に持った感覚はとても軽い。骨はとても薄いし、光に透かせば中がスカスカなのもよくわかる。この骨の軽さが、大海原を自由に飛び回るための秘密の1つでもあるのだ。せっかく入手できた憧れの鳥の貴重な標本、大切にしたい。


          
2009.12.11 Friday

もうひとつの馬の歯

        

海岸を歩いているとけっこう骨を見かける。当然のことながら魚の骨、そして鳥の骨(フライドチキンではなく海鳥)やウミガメの骨。ここまでは海に関連しているから想定内。ところが次に来るのが実は馬や牛の骨…というか歯だ。犬や猫の骨も見るのだけど、それよりも見る機会が多いと思う。もちろん正体不明の骨も多々あるんだけどね(ちなみに人骨は1回見てますが←警察通報済み 爆)。馬の歯はビーチコーマーの間では鎌倉名物などとも言われているけど、江戸時代から昔は農耕馬などの家畜が死ぬと海岸などに埋葬するのは普通だったという話もどこかで読んだ。事実、鎌倉以外の海岸でも馬の歯を見かけるし、ウシの歯や角らしきものを見たこともある。もちろん鎌倉は昔から人口も多かったし、戦もあったので、数が出るのも不思議じゃないけどね。

    

海岸で普通に見られるのは奥歯である臼歯。食べた草を摺り潰すための歯だ。今回紹介しているのは切歯(門歯)。草を噛み千切る前歯だ。1枚目の写真のように平たい方が口に出ている部分。尖った方は歯根だ。ウマの歯は切歯(門歯)が12本、臼歯が14本ある。数にそんな差はないのだけど、なぜか切歯を見かける機会はずっと少ない。これって僕だけだろうか?偶然? 今では臼歯は見つけても拾わないのだけど、この切歯は持っている数も数本だし、格好いいから拾っちゃうな〜(笑)


2008.10.21 Tuesday

にゃんこ

    

にやんこ…ってこれかよ!? とお思いの方もいるでしょう(爆)「海山日和」もご覧いただいている方には察しが付いたと思うけど、今度はネコの陶製人形?なんて思った方もいたかしら(笑) この頭骨の主は、ネコ科のイエネコ。この頭骨だけが海岸に打ち上がっていたものだ。下顎もなく、歯もほとんど抜け落ちているけれど、ネコらしさはちゃんと見て取れる。イヌやタヌキなどイヌ科動物では、もっとずっと鼻先が長いし、眼孔ももっと側面にある。体の基礎パーツである骨は、やっぱり生物の特徴をよく表しているのだ。まぁ、余計な説明は止めておいて、まずはじっくりご覧あれ。

    
    
    
2008.02.25 Monday

国際サンゴ礁年

      

なんですよ、今年は。これから暖かくなると、メディアなどで取り上げられる機会もあるでしょうから、皆さん注目していてくださいね。でも、サンゴ礁とサンゴについて話すと長くなるので、ややこいことは各自お勉強していただきましょう(笑) 写真は、左側がサンゴ礁を造ることができる造礁サンゴの一種、イシサンゴのキクメイシの仲間です。3年前、両親と屋久島へ行ったときに拾ったモノ。とある自分のプロフィールに「モノを拾うのが好き」と書いたら「恥ずかしいこと書かないで!」と言った母親が、「そんないいモノ1人で拾ってきて!(きぃ〜!)」と言った代物です。あんただって好きなんじゃん!(爆) 
で、右の枝のような方は神奈川で拾ったもので、おそらくオノミチキサンゴ。固い骨格を持っているけど、サンゴ礁を造ることができない非造礁性サンゴです。こちらは温帯域の生物で、湘南や三浦の海に潜ると、まるで黄色い花が岩場に咲いているような、見事な姿を見せてくれます。


*2/12のレート瓶の記事で追記があります。画面スクロールでご覧ください。
2007.11.29 Thursday

馬の歯の季節

   
お陰様で、このブログは毎日、毎月たくさんの方々に見ていただいてます。でも、実は先月、今月と月間アクセス数が大きく落ち込んでいる。年末に向けて忙しくなった人が多いこともあるだろうけれど、寒くなってきてビーチコーミング関連のネット検索数が減ったのかもしれない。でもね、実はこれからの季節こそ、ビーチコーミングには適した季節でもあるんですよ。 例えば写真の馬の歯。ビーチコーマーには鎌倉名物として有名なこれも、冬から春の間によく拾える。これはきっと、冬の季節風による波で海底がかき混ぜられたり、砂が沖(南)側へ流されるため、砂の中から掘り出されるのではないだろうか。そう、冬こそチャンス!真の海好きなら冬だって行こう! とは言え、冬の海岸はめちゃ寒い。体がもう芯から冷えて、トイレが近くなってチビリそうにもなる(笑) 防寒対策だけは万全にね☆
ちなみに、写真の馬の歯は臼歯で、全て鎌倉で拾ったもの。磨り減っているものが多いので、その昔年老いた農耕馬などが処分されたものと思う。中には鎌倉武士が乗った馬もいるかもしれない。ただ、馬の歯は鎌倉だけで拾えるものではなく、数はずっと少ないものの県内の別の海岸や他県の海岸でも拾えるよ。
2006.12.11 Monday

亀頭

     

八丈島はウミガメ天国だ。あくまで個人の体験ではあるけれど、僕は沖縄の海を潜っていても、あまりウミガメに会ったことがない。もちろん、ダイビングスタイルの問題はあるんだけど…。ところが、八丈島で潜ってみると、かなり頻繁に、しかも近距離でウミガメを見ることができた。伊豆諸島で見られるウミガメはアオウミガメだ。産卵場はないので、主に成長過程の個体が回遊してくるらしい。この頭骨は、そんなアオウミガメの中で、不幸にも命を落としてしまった個体のもの。海岸の岩場に乗り上げ、すでに数個の骨片とともにあるだけだった。ビーチコーマーなら、ウミガメの漂着がとても多いことを知っているだろう。どんな種類か、何歳か、事故か自然死か…ウミガメの死骸からわかることはとても多い。この頭骨は、私たちにいったい何を語りかけてくれるだろうか。。。
2006.11.07 Tuesday

年の却より亀の甲!?

 

普通は逆だけど…(笑) いや、亀の甲だって馬鹿にしたもんじゃないですよ、ってこと。これは、ウミガメの腹甲板の一部。角のような部分がなんとも特徴的で、格好イイのだ。ウミガメのストランディングは、イルカ・クジラに比べてずっと多いと思う。でも、姿形の残った状態ならともかく、イルカ・クジラの脊椎骨などに比べると、骨の各パーツの認知度はずっと低い。だから、ウミガメの骨が打ち上がっていても、意外に気がつかないのではないだろうか。その点、カメの最もカメらしい部分である甲羅は、骨になってもわかりやすく目立つ存在だ。それ1つ置いただけで、立派な造形作品になる。
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