2020.03.01 Sunday

海辺のまるっ!

 
 

昨年の11月に拾った、おそらくクリーム瓶と思われる硝子容器。砂浜のおかげで割れも欠けもなく、状態はとても良い。昔はこの手のも何度か拾っていたけれど、ずいぶんと久しぶりだ。デザインは何の変哲も無い、いたってシンプルなもの。でも、ポツポツ入っている気泡や、綺麗な青緑色の硝子とか、なんか良いよね。この平たい形は、拾ってきた小さな貝なんかを入れて置くのにも便利だし、けっこう好き。最近はすっかり硝子ものを拾う機会がなくなっているけど、こんな突然の出会いがまたうれしいものだよね。



2019.11.02 Saturday

海岸からBonjour!

 

夕刻の薄暗い海岸で見つけた小壜。砂を洗い流して見ると、胴部分の一面をエンボス文字が埋め尽くしている。この雰囲気は日本のものではなさそうだ。ほとんど汚れはなかったけれど、一応漂白。きれいさっぱりした壜を改めて見てみると、首の根元にもエンボス文字が刻まれていた。早速、それらの解読を試みる。
まず首の根元は
FRANCE OLIVE PURE:フランス オリーブ ピュア
胴の正面は8行あり、上から
FRANCE :フランス
LODOPOT :最後の1文字が不明瞭。別の文字かも? 何にしても意味不明。メーカー名かも?
HUILED'OLIVE :これはフランス語でオリーブオイルのこと。
PAREUMED :控えめ
GRASSE :グラッセ。料理の名前ではないと思うので、冷やす、艶を出す?…でも意味通じない。
VERITABLE :実物大
PRODUIT DE :プロデュース。「DE」は前置詞で「〜の」の意味。
PROVENCE :プロバンス。上の行から続きで、「プロバンス産」と言ったところか。

文字は英語ではなくフランス語。まあ、フランスって書いてあるしね。自動翻訳を使ったのでイマイチ意味不明の部分はあるものの、プロバンス産のピュアオリーブオイルの壜であることはわかった。細かい部分は、どなたかフランス語に精通した方がいらしたら、ぜひ教えてほしい。


 

壜は、ガラスの厚さにムラがある…と言うか、エンボス文字のある面がやたらと厚い。小さな気泡もポツポツ入っていて、時代的には戦前まで遡るかもしれない。当時の鎌倉は、政治家や実業家、高級軍人、作家などが暮らしたり、避暑に来ていたりした。そんな人たちがフランスからの輸入物オリーブオイルを使っていても、おかしくはない。壜の大きさは底辺の長径50ミリ、短径26ミリ、高さが67ミリ。そして、古い海揚がりの硝子壜ならではの、この輝き。なかなか魅力的な一品だ。


 




2019.10.21 Monday

青くて丸い

 

今月の第3週は、仕事で千葉外房方面へ。最後に銚子に寄ったので、仕事終了後に利根川を渡り、ここに足を伸ばしてみた。当地に来るのは5月以来。遠くてなかなか来られないのだけど、地元とは違う環境だし、期待は膨らむ。使えるのは実質2時間ほどだったので、浜歩きは足早に……なんていくわけがない。小さなものも見逃さないよう、ゆっくりじっくり歩く(笑)


 
 

打ち上げ線上にはポツポツとカツオノエボシやギンカクラゲの痕跡。しかし、その打ち上げ線に沿って、くっきりと残る足跡。ビーチコーマーの先客さんがいたのか、あるいは漁具などが目当てのおっちゃんたちか。もし、先客さんがいたなら、あまり成果は期待できない。もやもやした気持ちを抱えながら歩いていると、わずかながらルリガイが見つかった。でも、クラゲの打ち上げ数に比べると、見つかった数は微妙…(苦笑) 


 

しかも、南方系っぽいものはほとんどなく、一番期待していた種子果実、海豆がまったく見当たらない。ココヤシも真新しいものはなく、砂に埋もれたものが数個。定番のモモタマナやゴバンノアシすらないのだから、がっかりだ。見かけたのは写真のマンゴスチン3個とククイ1個だけかな。あとはもう、クルミばかり。


         

川の流れ込みで折り返し、戻ろうと思ったところで見つけたのが、網掛けした浮き玉。直径は約7センチ。おそらく、イサリ用に使われたものだろう。無銘だけど形は整っていて、細かい気泡がたくさんある。なかなかの美品だ。結局、これで打ち止め。長距離ドライブでの帰途とあいなった。





こちらもよろしく。
2019.09.20 Friday

ウルトラQ

 

8月末に少し海が荒れた時に見つけた、これ。この海岸で古い硝子壜を拾うのは、久しぶりだ。もともと硝子壜は滅多に出るわけでもないし、もちろん今回歩いている時もあまり意識していなかった。でもこれは、海藻などの打ち上げ物の陰にありながらギラギラと自己主張していて、通り過ぎようとした足が止まった。そして一目見て、ウルトラQのオープニングに出てくる、あのぐるぐる、ぐにゃぐにゃを思い出した(ちなみに、自分はその世代ではないです。再放送組ね)。なんと言うか、ものすごい銀化具合だ。とは言え、これはローマングラスのような本当のガラス銀化ではなく、偽銀化と言うようなもの。


       

持ち帰って、壜口についていたコルク栓を外し、中を洗って漂白すれば、はいこの通り。すっかり綺麗になって、銀化しているのは、壜口横のごくわずかな部分だけ。偽銀化は、壜の中にこびりついた膜状物質によって、光が干渉や散乱を起こして虹色に見えているだけ。一種の構造色だ。口の部分の銀化は、おそらくコルクとガラスが擦れることでついた、微細な傷が原因だと思われる。まあ、壜の中身は実際かなり汚かった。なんか黒いのこびりついてたし(笑) それにしても、小さな気泡もあって、なかなか良い硝子壜だ。


 

さて、硝子壜の正体だけれど、これは「味の素」のいわゆるバチビンだ。高さは115ミリ。壜の底には、「素の味」と右書きのエンボス文字。コルク栓で右書きエンボスなので、戦前のものと考えて良いだろう。味の素のこのサイズの壜には、もう少し口の長いタイプもある。それを紹介したのはなんと11年も昔のことだ。それから今までの間、実はこの口の短いタイプも拾ったことがあったと思うのだけど、あまりに状態が悪くて、物の行方はわからず写真も残っていない。今回のものは、海上がりとしては上等の部類。最近は、小さい卓上用バチビンも海岸で見ることが減っている。そんな中での出会いは嬉しいものだね。



2018.12.27 Thursday

定番神薬

         

先月の南房遠征、最後のピースはこちら! もう、硝子壜が出るなんてことはまったく期待していなかったので、これを見つけた時もカメラを車の中に置きっ放し。で、現場写真がなかったの上に、物撮りするまで時間がかかり、やっと今頃アップ。たったこれだけのことなのに?と言わないで(苦笑)


        

まあ、さすがにけっこう擦れがあって、状態はほどほど。エンボスは一面に「神薬」とある以外は、メーカー名などもなし。ガラスには少し気泡が入っている。このタイプは戦前も戦後も作られているようなので、時代的なことは不明。これが出た海岸も、落ちているのはほとんど戦後のものだから、昭和20〜30年代の可能性もあるかも? でも、嬉しいね。神薬といえば、この形のビンが定番といえば定番なんだけど、そもそも自分は神薬に縁が薄い上に、これまで拾っている2本は細長タイプ。ここに辿り着くまでにずいぶんかかったな。でも、そういうものってけっこう多いんですよね。時間がかかっても、憧れのものをひとつひとつ拾っていきたいな。来年も…。



hiroimonoは、これが今年最後の更新になります。今年は仕事の忙しさにかまけて更新が滞り、大変失礼しました。そんな時にもアクセス数はそれなりにあったので、ホント感謝しています。来年も「海山日和」共々、よろしくお願いいたします。
2018.03.30 Friday

海軍ものの精密機械油

           

ご無沙汰してます。ヤバいヤバい…今月一度も更新することなく月が変わるところだった。さて久しぶりの今回は、やはり昨年秋の台風の後の拾いもの。この壜はネット検索でもそこそこ見つかるもので、錨のエンボスからも察しがつくように、嬉しい旧海軍ものだ。名前もちゃんとエンボスで書いてある。「精密機械油」。ネット検索で見つけた写真の中には、当時のラベル付きのものもあり、それには「精密機械油 航空計器潤滑用(常温50cc入) 製造昭和19年○月○日 日本石油株式会社新潟精油所」のものと、もっと単純な「第一海軍燃料廠 研究部」というものがあった。また壜のサイズ(容量)の違いか、「貳號(二號)」「四號」と2種類あった。今回の壜は、高さは75ミリ、底の直径は42ミリ、口の直径は20ミリ。壜の底に、壜の口から覗いたときに「4」と読めるエンボスがある。ガラスは無色透明。ただし、ネットで出てくる中には、ガラスの色が淡い水色系のものもある。気泡は少ないけれど、ユラユラ感はある。総じて作りは比較的良いようだ。こういうものがコンスタントに出てくれると嬉しいのだけど、なかなかそうもいかない。春になって昼間に潮が引く時期だけれど、海にもほとんど行ける状態にないのが辛い…。


             
         



2018.02.11 Sunday

ナーベラーは食べても美味い

         

昨年の台風21号の後、地元で拾ったもの。ヘチマコロンの壜はビーチコーミングやディギングで出てくることもあり、よく知られた硝子壜だ。今まで欠片は何度も見ていたのだけど、やっと完品に巡り会うことができた。ヘチマコロンの壜は何タイプかあるようで、象徴的なタイプはなで肩タイプ。これは現在でも復刻されて販売されている。今回のはそこそこ見つかっているようだけど、意外とメジャーではない角張りタイプだ(ボトルソウドウさんが2タイプとも持っていらっしゃるので、こちらでご覧あれ)。今回の壜は高さ107ミリ。割れ欠け、大きな傷もない。


           

ヘチマコロンは、民間で化粧水として使われていたヘチマ水(ヘチマの茎を切ると出てくる液体で、ビタミンやペクチンを含む)を商品化したもので、天野源七商店から大正4年(1915年)に発売された。竹久夢二や海外の女優を広告に使うなどして人気を得、戦前ではベストセラー化粧品となっていたようだ。第二次大戦後の昭和27年に天野源七商店は解散し、その後は株式会社ヘチマコロンが事業を継承して現在に至っている。さて、この壜がいつ頃のものかだが、手持ちの資料にはこれによく似た壜が「天野源七商店」のものとして載っている。となれば少なくとも昭和27年以前のものだ。さらに、なで肩壜のスクリューキャップ壜が存在していることから、コルク(または硝子)栓式のこのタイプは、それより古いのではと推測できる。おそらくは戦前のものであるのは間違いないだろう。それにしても、ヘチマコロンのコロンとしたロゴは、誕生してから100年近く経っても変わらないんだね〜。



前記事に追記しました(2/11)。


2017.07.11 Tuesday

純〜粋な水?

            

先月末の30日、こちらのブログで報告した通り、青いのを求めて海岸へ出かけた。そこで…予想、期待と違う青いの見つけた!! これには自分でもびっくり。最近は、既存ポイントの資源枯渇、開発、護岸改修によるポイント消滅、ライバル増加など諸々の理由から、硝子壜を拾うこと…と言うよりも硝子壜に出会うことがすっかり減ってしまった。これまでは春から夏にかけての大潮周りは、潮位をチェックし、どこのポイントへ行くか狙いを定めて行動していた。でも、ここ2〜3年はそんなこともほとんどしなくなっていたのだ。それが、思いもしない時、場所で巡り会おうとは。しかもコバルトブルーだぞ?


         
         

しかし本当にさり気なく、潮が満ち始めた波打ち際近くにポツンと落ちていた。拾い上げて見てみると、しっかりとエンボスがある。「外用ピューア水」…昔、割れて首のないのを拾ったことがあった、あのピューア水だ。その欠片を拾ったのが2007年だから、実になんと10年ぶりに完品に出会うことができた訳だ。コバルトブルーの硝子壜を拾えることだけでも嬉しいのに、これにはちょっと感動したよ。きっと何十年もの長い間、砂の中に眠っていたのだろう。表面には細かい擦れ傷があるものの、割れ欠けなく状態はとても良い。大きさは高さ8センチ、壜底の長径3センチだ。


          

「ピューア水」については、ディギングをしている人がいろいろなタイプの壜を掘り出していて、このコバルトブルーのサイズ違いや、違うガラスのタイプがあることがわかっている。またnanairoー9さんが箱付き壜を購入されてブログに公開されている。製造元の「棚橋薬行」は東京市中野区にあったらしく、元々の製造者は岐阜市の棚橋恒哉という人物らしい。ピューア水については、戦前には非常に多かった、いわゆる皮膚病薬だ。それにしても名前「ピューア」の由来って何なんだろう?



2016.09.19 Monday

Gosun no Gyoku

           
       

先月末の南房遠征、その数少ない成果のひとつがこれ。台風絡みの大波で運ばれたのだろう、岩場の奥の奥に鎮座していた。その割にはまったくの無傷。きれいに網掛けされているので、いい具合に保護されたのかもしれない。1枚目の写真右端に写っている流木に引っ掛かっていたが、これは偶然だろう。大きさは直径約18センチ。尺の半分の5寸サイズになる。残念ながらヘソは無記名。網掛けのロープが白くて新しいように見えるけれど、これは塗料が塗ってあるため。おそらく付着生物を防ぐための加工だろう。これまで拾ってきた硝子浮きは全てこれ以下のサイズなので、見つけた時はちょっと興奮した。しかし冷静になって考えると、けっこう置き場所に困るもの。このサイズなら何とかなるけど、尺玉とか見つけたら正直悩むだろうな。いや、もちろん拾いますけどね(笑)



        

2015.10.03 Saturday

美の素

            

前回記事の拾いもの、見事にクジラの耳骨化石と認定(パチパチ!) しかし、それを拾った当日、そう銚子遠征はと言えば、耳石を拾った後に完全に時間をもてあましてしまった。予定では夕方まで銚子や波崎で過ごし、夜に南房まで移動して道の駅あたりで夜明かし。翌日は南房をサラッとチェックして帰るつもりだった。仕方がないので九十九里あたりをチェックしながら南下しようと移動開始。しか〜し、9月半ばの快晴の週末。海岸はどこも人と車でいっぱい。結局、大網白里の海岸をちょっと覗いただけで、夜明かし予定の道の駅・和田浦WAOまで来てしまった。そこでまずは海岸をチェック。ここでは前にヒルガオガイやジオクレアを拾っている。ところが波が強すぎたせいか海岸が真っ新で漂着物が何もない…。完全に行き詰まった。そこでついに決心。日没前に南房のポイント1か所をチェックして、最終のフェリーで帰ろう!


             
        

その日没前に辿り着いたポイントで拾ったのがこの壜。見つけた場所はほとんど水際でどんどん潮が満ちてくるし、心身共に疲れ果てていたので現場写真など撮る余裕がなかった。拾った時にはコルク栓がついていたけど、古いコルク栓は洗って乾燥させると縮んじゃうので廃棄した。さてこの壜、やや薄めのブルー硝子で、いい感じに気泡も入っている。高さはちょっと半端な72ミリ、底の一辺が22ミリ。ただし側面の角が面取してあるので、底の形は八角形になっている。エンボスは一面のみで「美の素商會」とある。「美の素」でネット検索してみると、いかにも○散○いダイエット商品がヒットするけれど、もちろん関係ないだろう。ただ、いつの時代でも美しさを求める女性の気持ちは同じなんだな…と思って、少し笑ってしまった。それにしても、最後に出てくれたこの硝子壜で、ホント救われたよ〜、夜行日帰りの銚子遠征(笑)



名前は招き猫の手……海山日和
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