2020.02.02 Sunday

鬼が出た!

 

昨年の10月の台風19号の後、材木座海岸の東側には、大小の石や陶片などが多く打ち上がった。11月になって、その中にこんなものを見つけた。内部に放射状の仕切りができた、円型の物体。なんだこれ?


 

拾い上げて、ひっくり返すと、なんとオニフジツボ! ご存知の方も多いと思うが、このフジツボはクジラ類の皮膚に寄生するフジツボの一種。その生態はまだほとんど解明されていない、いわば謎多き生きものなのだ。今回のものは、状態としては化石か半化石と言ったところだろうか。鎌倉・材木座海岸周辺の地質は、新生代新第三紀中新世の三浦層群逗子層(700万〜400万年前)で、貝化石などが知られている。同じ三浦層群でも、もう少し新しい宮田層(40万〜10万年前)ではオニフジツボ化石が出土し、横須賀市自然・人文博物館に所蔵、展示されている。もしかしたら、そう言った海底の地層から洗い出されたものかもしれない。


        

あるいは、もう少し新しい時代に、海岸に打ち上がったクジラから落ちたものかもしれない。鎌倉や、三浦、湘南の海岸には、数年に一度、クジラ類の漂着が見られる。一昨年の2018年にも、由比ヶ浜にシロナガスクジラの子供が漂着して話題になったので、覚えている人もいるだろう。オニフジツボを拾った同じ日、すぐ近くには、写真のような立派なクジラの脊椎骨も打ち上がっていた。もしかしたら、この骨の主であるクジラに付いていたオニフジツボだったりして。


 

2月は節分。「鬼は外!」が普通だけど、こんな「鬼」が来てくれるなら、大歓迎かもね!(笑)



2020.01.26 Sunday

今鎌青19’後半戦

        
        

「いまさら鎌倉青磁」、昨年2019年後半の報告です。昨年の秋は、2度の大型台風到来で海の中が掻き回されたのか、いつもと違って青磁の揚がりも良かった。でも全ての写真を載せるとごちゃごちゃするので、良いものだけをピックアップ。はじめは10月14日と24日のもので、蓮弁の葉先がきれいに残っていた。こう言うのが出ると、ホント嬉しいんだよね。全体に薄めに整形されているので、碗の、縁に近い部分だろう。


       
 

次は11月7日のもの。この日は良いものが複数拾えた。良いものと言っても、今の材木座でこの程度の大きさの欠片が出れば御の字。その代わりと言ってはなんだけど、小さな湾になって波が穏やかな鎌倉の陶片はとても状態が良い。中国青磁の質が良いとも言えるけれど、その艶やかさは衰えていない。ちなみに、上の写真の上部2点(1点は下の写真と同じ)は、褐色みの強いもの。青磁と言っても、こういうタイプもあるからややこしい。あと上の写真の左下は青白磁だ。


 
 

そして、昨年一番心が震えたのが、直角三角形に似た形のこれ。青磁なのか青白磁なのかはちょっと判断が迷うところだが、長辺が5センチを超える、鎌倉の海岸で拾える中では最大級のものだ。文様は明らかに中世の中国製輸入陶器に見られるもの。調べてみるとこの手の文様を持つものとして、鎌倉の御成小学校にある今小路西遺跡から出土した「梅瓶(めいびん)」と呼ばれるタイプの壺がある。この陶片の文様の刻み方はやや浅いというか鈍い感じだけれど、同様の時代の、同様のものだった可能性はあると思う。


 
 

こちらは同じ日に拾った小さめの青磁片だけれど、こちらも繊細な文様が刻まれていて、元はかなり良い品だったことが伺える。南宋青磁の作品を調べると、この手の文様を持つ皿などがいくつか確認できる。


 
 

こちらは11月29日に拾ったもので、久しぶりの高台部分。大きさも、鎌倉の海岸で拾える中では大きい方だ。拾った青磁片が中国青磁であるかどうかは、文様や質感、断面の状態などを見て判断しているのだけれど、このように文様がないものは判断が難しいこともある。状態の良さ、よく残った艶やかさが、かえって新しい時代のものかと迷わせることもある。海岸からは江戸時代に日本で焼かれた青磁の欠片も出てくるからややこしいけれど、最後は「感」で判断しているのが現状だ(笑)


 

こちらも同じ29日のもの。これも本当に綺麗な青磁片だ。大きなものではないけれど、こうして写真に撮ると、まるで宝石みたい。このまま加工したら、けっこう良い感じのアクセサリーにできるんじゃないかって思うよ。蓮弁とは少し違うけれど、この縦筋の文様も南宋〜元時代の中国青磁によく見られるもの。


       
 

最後はこちら。12月3日に拾ったもの。流石にこの頃になると、台風効果も薄れてくるのか、拾えるものが減ってきた。そんな中で拾ったこれは、南宋〜元の青磁とは、同じ青緑色でも、どこか違った風合い。少し灰色がかった感じがあると言うか…。思い当たるのは、自分がまだ「それだ」と思うのは2個くらいしか拾えていない高麗青磁。確信には至らないけれど、けっこう可能性は高いと思っている。


 

何にしても、自分が勉強不足であることは否めない。そんな訳で、ちょっとこんな場所に足を運んでみたよ。出光美術館。ここは石油元売会社・出光興産の創業者、出光佐三のコレクションを展示する美術館で、今はちょうど陶磁器初心者にうってつけの特別展「やきもの入門」が開催さいれいた。展示は、古代から現代まで、さまざまなタイプ、流派の陶磁器を順番に並べて解説してあるので、とってもわかりやすかった。そして、この美術館を訪れた最大の目的は、陶片のコレクションを展示したコーナーを見ることと、青磁関連の資料(展示図録)を買うこと。陶片の展示室では、中国青磁の陶片をいろいろ確認したかったんだよね。コレクションの中には、もちろん鎌倉・材木座海岸の青磁片もあったよ。興味がある人は、ぜひ訪れてみて!



2020.01.15 Wednesday

遅いご挨拶

       


年が明けて1月半ばにやっと更新。正月明けから仕事で1週間、出かけるなどしていたので、すっかり遅くなりました。しかも、拾いものは昨年末に飛ばしすぎたので、今回の記事は内容もなし(苦笑) 写真は、破格の大漁を得られた時に、網元が漁師たちに配った祝い着の「万祝」。江戸時代の房総半島が発祥と言われ、太平洋側を中心に各地に広まったと言われている。南房総市白浜、野島崎灯台のすぐそばにある白浜海洋美術館は、この万祝の膨大なコレクションを所蔵している。古い漁具など貴重な展示もあり、一見の価値ありだ。ちなみに3月までは特別展示の「クジラはアートだ!」を開催していて、万祝コレクションは一部しか見られないので念のため。では、本年もよろしくお願いします。



2019.12.27 Friday

出張ナイトコーミング

 

先週に引き続き、今週も仕事で千葉へ。早朝までに現地到着する必要があり、睡眠時間を確保するために前日の夕方から移動を開始。でもまあ、現地に向かう前にちょっと寄り道して館山へ。館山に着いたら、いきなり激しい雨で出鼻をくじかれるものの、じきに雨も上がり雲の切れ間から眩いばかりの星空が(写真は目的に着いてから撮ったものだけどね)。時間に余裕がないので、歩く場所は絞っていざ出撃。


 
 

当然、期待を抱いて歩いてはいるものの、それほど自分の運を信じていないので、最初の浜ではカメラを持たずに歩いてしまった。するとライトが照らす光の中にタコブネが! 真っ暗な夜の浜辺で一人興奮。しかも、気を取り直して歩き出したら、そのすぐ海側にもう1個!! 長らくタコブネ運のなかった自分にとって、1度に2個はまさに奇跡。昼間に出会っても当然嬉しいのだけど、夜の出会いはまたとても印象的だったよ。これで満足して終わりにしようとも考えたけど、やっぱりもう1カ所。そしたら、今度はそこでちびアオイガイが! 2019年も最後に来てこの大盤振る舞い。ちょっと怖いくらいだ(笑) クリスマスイブの前日、少し早いプレゼントを海の神さからもらったよ。


 

まあ、これで運を使い果たしたのか、仕事の方は今回も思い通りにいかず、来年に繰り越し…。それでも、何もなしに終わるよりは良かったと信じよう。今回のタコブネは、黒っぽくて大きい方が長径約55ミリ、白っぽくて小さい方が約50ミリ。ちびアオイガイは37ミリ。タコブネはこれでやっと通算5個目。アオイガイは、先週の割れたのを含めて10個目。なぜか、こちらではより珍しいはずのアオイガイの方が数を拾っている。日本海側のような大量漂着にも憧れるけど、稀少性が維持された、これくらいの拾いものペースの方がいいかもね(笑)



こちらも見てね、拾わなかった漂着物もたくさんあります。海山日和!
2019.12.22 Sunday

南がダメなら北がある

 

仕事で千葉に行ってました。残念ながら仕事の方は思い通りにいかなかったので、帰宅前にちょっと…と言うか、かなり寄り道して鬱憤晴らしに。場所は10月以来の波崎海岸。前回はわずかにルリガイが拾えた程度で、まったくと言って良いほど南方系のものがなかった。けれど、この海岸は北東風が海風になるので、案外この時期でもいけるのではないかと考えたのだ。天気はこの通り、どんよりと曇って霧雨混じり。


 
 

最初の場所を歩き始めた直後、なんとアオイガイが。残念ながら半身状態だったけど、なかなかのサイズ。今季、南房や神奈川などで小さいものが少し出ているのは知っていたので、あるいは?とは思っていた。これで俄然、勢いがついた…と思ったのだけど、後が続かず。相変わらず南方系のものはまったくと言っていいほどなく、ココヤシですら見当たらない。しかも、砂浜には釣り人が乗り入れた車の轍もある。最初の場所は、これ以上の成果もなく、次の場所へと移動。しかし、そこも何もない! 小さなエボシガイのついた打ち上げ物があったけど、それもわずか(ちなみに、波打際に新鮮なカツオノカンムリが1個体だけ 苦笑) それでも、きっとあると信じて歩いていると…。


 
 

あった! 片側の縁が少し欠けてはいるものの、ほぼ完品のアオイガイ! 大きさは長径約14センチ。昨年に拾ったものより少し小さいけれど、太平洋側でこのサイズは十分に立派。漂着してから数日は経過している感じで、すぐ近くには車の轍があったから、拾えたのはホント奇跡的かも。海豆、そして密かに狙っていたトグロコウイカには出会えなかったけど、南がダメなら北がある。十分にお釣りがくるかな? それに良い鬱憤晴らしができたよ!(笑)


 


2019.12.14 Saturday

「永」の字に注目

 

この秋に久しぶりに拾った寛永通宝(寛永通寶)。海揚がりと言う訳ではなく、海岸近くの地面に埋もれていたものが、雨などで洗い出されたもの。とは言え、状態はかなり良い。なんか、同じような場所で見つかる近現代銭の多くが錆び錆びになるのに比べて、寛永通宝は状態が良いことの方が多い気がする。材質や製法の違いでそのような差がでるのかな?寛永通宝は一般的に銅銭。ほかに鉄銭と真鍮銭が存在する。銅銭は当然、銅が主要成分な訳だけど、錫や鉛も混じっていたようだ。


 

寛永通宝は、その名の通り寛永13年(1636年)に初めて鋳造された銅銭。裏側に波形が刻まれていない今回のこれは、通常の一文銭だ。寛永通宝は幕末まで約200年も鋳造され続け、幕府直轄の銭座だけでなく、いくつかの藩でも鋳造されていて、さまざまな種類がある。


 

今回のものは写真黄色線で囲んだ部分、「寶」の「はち」の特徴から、寛文5年(1665年)から鋳造された新寛永通宝だとわかる。気になったのは、「永」の字の赤線で囲んだ部分。これまで拾ったものには、このような特徴はなかった。今はホント便利な世の中で(笑)寛永通宝を詳しく調べてネットにアップしてくれているマニアさんがいらっしゃる。そのサイトなどを参考にこの特徴と一致するものを探してみると、元文年間(1736〜1741年)に鋳造されたものに特徴が一致する。完全には特定はできないものの、こうやって拾ったものからいろいろ推理できるのは、本当に楽しいことだね!



2019.12.07 Saturday

福田屋イチゴ液

          

ずいぶんと寝かせてしまった硝子の一品を蔵出し(笑) これを拾ったのは2013年の秋。台風が通り過ぎてから何日か経った時だ。高波によって薙ぎ倒された海岸植物の合間を歩いていると、足元にポツンとこの壜が落ちていたのだ。そのデザイン、切りっぱなしの口…一見して古い子供飲料の硝子壜だとわかる。割れ、欠け、ヒビもない完品だ。底の直径2.3センチ、高さ14.5センチ。淡く水色がかったガラスで、ほんのわずか右に曲がっている。本体部はミシュランマンのようなモコモコをつけたデザインになっている。


 

正面にエンボス文字で「福田屋イチゴ液」。ネット検索してみると、拾ったか掘り出したかした人もいるようだけど、製造元などに関する情報らしい情報はヒットしない。福田屋というのも、きっと地元の小さな飲料会社だったのだろう。3枚目の写真は、同じイチゴ液でも、比較的よく知られたタイプと一緒に。どちらのデザインも素敵。それにしても、みかん水はなんとなく柑橘系と想像がつくけど、イチゴ液って、いったいどんな味だったのだろうね? 当然ながら、イチゴミルクとは違うんだろうな(笑)


 
2019.11.30 Saturday

材木座の紅

        
 

最近、鎌倉の材木座海岸を歩くと、数回に1度くらいの確率でベニガイが拾えるようになってきた。鎌倉の海岸では、サクラガイやカバザクラガイ、モモノハナガイ(エドザクラ)などはある程度、拾うことができる。けれどベニガイなんて、ちょっと前までは幻の存在だったのにだ。一見、何の違いも見えないけれど、海の環境は常に変化している。鎌倉の海岸でも、前より増えたように感じる貝や、反対に減ったように感じる貝もある。もし、鎌倉の海岸でベニガイが復活してきているのなら、それは嬉しい変化だね。3枚目の写真の下にあるものは、欠けてしまっているけれど、残った部分だけで5センチを超えた大物だ。完全なら6センチを超えたかもしれない。一方で同じ写真の上にあるような、小さめのものもある。大小、大きさの違う個体があるってことは、復活している可能性は高いんじゃないかな。もっとも、とっくに復活しているけれど、自分より先に拾われているだけだったりして。サクラガイなど紅い貝を拾う人は、ホント多いからね(笑)


  


こちらもよろしく「海山日和」

2019.11.25 Monday

ヒマラヤから来て…ません

 

緑二重線とかパピとか金魚とか拾ったのと同じ日の拾いもの、これで打ち止め。この日はちょっと由比ヶ浜側まで足を伸ばして、これはそこで拾った。ものの正体は、ヒマラヤスギの松ぼっくりだ。。ヒマラヤスギは、日本では主に公園樹などとして植栽されている。おそらくは台風の強風で枝ごと吹き飛ばされ、近隣の川から流されてきたものだろう。現場写真は撮り忘れてしまったけれど、拾った時はまだ緑味があって固く閉じていて、成熟しきっていない感じだった。松ヤニも滲み出ていた。持ち帰って、とりあえず塩抜き洗いをして、そのうち写真を撮ろうと放置していた。そしたら、気がついたらバラけてしまっていた…。


  

松ぼっくりは、軸に鱗片葉が複数つき、全体として楕円形になった果実(球果、毬果)で、種子は、鱗片葉の種鱗と呼ばれるものに収まっている。アカマツやクロマツ、カラマツでは、種鱗は軸と一体化していて、種子だけが風に飛ばされる。一方、モミやヒマラヤスギ、トウヒでは、種鱗も軸から離れて種子と一緒に風に飛ばされる。つまりは、松ぼっくりが解体してしまうのだ。2枚目の写真、右側上下にあるのが種子、中にあるのが種鱗。左側は種子が種鱗に収まった状態だよ。


  

最後は、以前お仕事用に購入したヒマラヤスギの松ぼっくり。長さは10センチ前後あるので、アカマツやクロマツに比べると存在感も抜群。インテリアにも向いている。売っているヒマラヤスギの松ぼっくりが解体していないのは、おそらく何かしら加工しているんだと思う。



2019.11.07 Thursday

いまさら鎌倉青磁18〜19’

         

すっかり報告を忘れていた鎌倉青磁。タイトルには18〜19’となっているけど、18年後半はまったく拾っていないので、実質今年に入ってから夏までになる(青磁拾いについては、基本的に秋から春で1シーズンとしてます)。この春はホント苦戦した。歩いても青磁が少なく、また蓮弁や線刻のついた、はっきりこれ!とわかるようなものがあまり出なかった。1枚目は1月17日。薄くて上質なもの。皿か茶碗の一部か。


        

3月14日。少し厚手で、貫入などあるものの、質は良い感じ。鉢や香炉、壺などの縁の一部だろうか。


 

4月12日。蓮弁のついたものが、やっと出た。茶碗の縁に近い部分。この部分はよく出るのだけど、高台に近い方はほとんど出ない。どこかに埋もれているのかな。


 

5月22日。今年の春から初夏では、この日が一番だった。拾ったものは2つだけど、どちらにも蓮弁。青磁というと、水色っぽいものや明るい緑色のものを想像するかもしれないけれど、鎌倉で出る青磁は、少しオリーブ掛かった独特な緑色だ。だが、それがいい!(笑) さて、夏以降、現在のまでのところ、ちょっと良いものが拾えている。台風が複数来たので、海の中が掻き回されたのだろう。今後にも期待したい。



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