2019.10.21 Monday

青くて丸い

 

今月の第3週は、仕事で千葉外房方面へ。最後に銚子に寄ったので、仕事終了後に利根川を渡り、ここに足を伸ばしてみた。当地に来るのは5月以来。遠くてなかなか来られないのだけど、地元とは違う環境だし、期待は膨らむ。使えるのは実質2時間ほどだったので、浜歩きは足早に……なんていくわけがない。小さなものも見逃さないよう、ゆっくりじっくり歩く(笑)


 
 

打ち上げ線上にはポツポツとカツオノエボシやギンカクラゲの痕跡。しかし、その打ち上げ線に沿って、くっきりと残る足跡。ビーチコーマーの先客さんがいたのか、あるいは漁具などが目当てのおっちゃんたちか。もし、先客さんがいたなら、あまり成果は期待できない。もやもやした気持ちを抱えながら歩いていると、わずかながらルリガイが見つかった。でも、クラゲの打ち上げ数に比べると、見つかった数は微妙…(苦笑) 


 

しかも、南方系っぽいものはほとんどなく、一番期待していた種子果実、海豆がまったく見当たらない。ココヤシも真新しいものはなく、砂に埋もれたものが数個。定番のモモタマナやゴバンノアシすらないのだから、がっかりだ。見かけたのは写真のマンゴスチン3個とククイ1個だけかな。あとはもう、クルミばかり。


         

川の流れ込みで折り返し、戻ろうと思ったところで見つけたのが、網掛けした浮き玉。直径は約7センチ。おそらく、イサリ用に使われたものだろう。無銘だけど形は整っていて、細かい気泡がたくさんある。なかなかの美品だ。結局、これで打ち止め。長距離ドライブでの帰途とあいなった。





こちらもよろしく。
2019.10.19 Saturday

台風が過ぎ去って…

 

近年でも稀に見る大型で強力な台風19号が通過して、1週間が経った。幸いにして当方の周辺では特に被害という被害もなく、今回は自分の住むエリアでは停電もなかった。しかし、関東甲信、そして東北地方などの各地では、大雨による災害が発生してしまった。13日に三浦半島のいくつかの海岸を回ってみたが、高波、高潮で大量の砂や石が打ち上がっているなど、やはり多少なりとも影響があったようだ。それでも、その日の海の様子からは、そんな酷い台風が通り過ぎたなんて、とても想像がつかない感じだった。


 

風が東寄りだったため、三浦半島西岸に打ち上がっているものは少なめで、あってもほとんどが陸由来のものだったけれど、とある海岸で1個だけルリガイ。ちょっと大きめ。


         

そして1枚目の写真の海岸では、久しぶりにクチグロキヌタを拾った。普段あまり真剣に貝拾いをしない自分には、拾いものの鬼門と言えるタカラガイがいくつかあって、このクチグロキヌタもそのひとつ。もともと、そんなに数の出る貝ではないと思うけれど、自分はほとんど拾ったことがない。多分、片手で足りる程度…。今回のものは表面の光沢層は失われているものの、状態は今まで拾った中でもマシな方かな。何にしても、あまり拾ったことのないものが拾えるのは、嬉しいものだよね。



 

2019.10.15 Tuesday

海辺のパピリオ

         

時間は少し遡って、先月の半ば。緑二重線の国民食器湯呑みを拾ったのと同じ日のこと。なんと、パピリオクリームの陶製瓶まで出てしまった! 実は以前にパピリオの完品を拾ったのも同じ場所。再び出会えないものかと、密かに願い続けていたのが実現したのだ。遠目に四角いものが落ちているのを見つけた時、心が踊ってしまった。さすがに上面や口部分に欠けがあるけれど、海上がりでこの状態なら十分すぎるレベルだ。拾った時点では、写真のように全体に青い染みが広がっていたが、乾燥したらほぼクリーム色になった。


 

パピリオクリームは、昭和初期に伊東胡蝶園から発売されていた化粧品だ。画家・装丁家の佐野繁次郎が意匠のプロデュースをしていることでも知られている。この四角い陶器瓶は第二次大戦後の昭和30年代につくられたと言われていたが、戦前から使われていたという説もあるようだ。また、戦中には統制番号付きの円筒形タイプも存在している。自分は戦前の広告で円筒形タイプらしいのが写っているものは見ているが、四角いタイプのものは見ていない。また、自分が知る限り、四角いタイプで統制番号が付いたものはないはずだ。戦前から存在したのなら、なぜ統制番号付きが存在しないのだろうか。円筒形タイプの方が熟練工でなくても製造しやすいため、戦中は円筒形タイプのみつくられたのだろうか。まだまだ、パピリオには謎が多いようだ。


 
 

今回のものは、以前に拾ったものに比べて、ほとんど違いはない。若干、地の色が濃いめなのと、「P.」の文字がくっきりしている程度の差だ。ひとつ大きな違いは、今回のものの底には、「Z」または「N」と読める線刻があること。製造工場などを表している印なのか、これもまたパピリオの謎のひとつだ。



2019.10.04 Friday

やっと来た!

       

やっと来た! 西の方では漂着報告が上がっていたけれど、先月までこちらはサッパリだった。昨日、たいした風も吹いていないのに、びーちこ仲間から青物到来の知らせ。早速、海岸に出かけてみたものの、まったく何も見られない。材木座海岸を滑川まで行き、折り返して戻ってくると、さっきまで何もなかった波打ち際にギンカクラゲが!




それもそこそこ数が上がっているし、波間には今まさに打ちあがろうとしている個体もある。そしてよく見ていると、齧られた跡のついた個体がちらほら混ざっている。これは、きっといるな…。




やっぱりいたぞ、ルリガイ。大きさは少々小さめだけど、波打ち際にポツポツとギンカクラゲに混じってうち上がっている。この日は、合計12個のルリガイを拾うことができた。その後、夜になってから強い南風が吹き始め、本日も青物フィーバー。事情があって写真はないけれど、昨日よりもさらに多くの青物が打ち上がったようだ。海のCMさんは、40個ぐらい拾われていましたか? こちらは本日も10個ちょい。今日は、ルリガイが中心だけど、ヒメルリガイと少数のアサガオガイも混じった。10月に入って、やっと良い風が吹いて来た。これが追い風になればいいな!


       
2019.09.26 Thursday

Green & Double line

 

千葉県をはじめとした関東南部に大きな被害を出した台風15号。通過した直後の9日に海岸をチェック(その時の様子はこちらへ)、そして約1週間が経過した17日に、再び海岸を訪れてみた。海岸はある程度は清掃が進んでいて、当日は天気も良かったので、気持ちの良い浜歩きとなった。潮の引いた砂地を歩いていくと、埋まった陶器の高台を発見。蹴飛ばしてみたけど、少し動いただけで砂から出てこない。あれ、本体がある? そこで掘り出してみると、なんと緑二重線の国民食器湯呑み。しかも完品だ。


 

このタイプの湯呑みは3つめ。今回のものは高さ65ミリ、口径68ミリ。過去の2つのうち、旧海軍造船所近くで見つけたもの(写真左奥)は、高さ70ミリ、口径72ミリ、旧海軍航空技術廠近くで見つけたもの(写真右奥)は、高さ67ミリ、形が少し歪んでいるため、口径は長径70ミリ、短径68ミリだ。3つともほとんど同形なのだが、少しずつ差ができている。今回のものの特徴は、一番肉厚ということだ。縁の部分で測ると約5ミリもある。内側の底を見た感じからすると、それでも下部よりは薄く仕上げられてはいるようだ。側面の仕上げはやや荒く、ボツボツと釉薬の下に異物が入り込んで凸凹している。


 

高台の仕上がりも甘く、部分的にズレができている。その内側には統制番号などは刻まれていない。国民食器は、主に工場などの食堂で使われる量産食器で、昭和初期から作られ始め、戦後もしばらくは作られていたらしい。統制番号は経済統制がおこなわれた、昭和16年3月から終戦までの約4年間につけられていたので、今回のものはその前後のものと考えられる。作りに甘さが見られるのは、戦争によって熟練工がいなくなった戦後に作られたためとも考えられるが、昭和16年以前でも日中戦争の最中であり、材質・品質等の維持が難しかったとも考えられる。なんとも判断のしようがないけれど、この緑色の二重線が描かれた食器は、日本の歴史の証人であることに変わりはない。



2019.09.20 Friday

ウルトラQ

 

8月末に少し海が荒れた時に見つけた、これ。この海岸で古い硝子壜を拾うのは、久しぶりだ。もともと硝子壜は滅多に出るわけでもないし、もちろん今回歩いている時もあまり意識していなかった。でもこれは、海藻などの打ち上げ物の陰にありながらギラギラと自己主張していて、通り過ぎようとした足が止まった。そして一目見て、ウルトラQのオープニングに出てくる、あのぐるぐる、ぐにゃぐにゃを思い出した(ちなみに、自分はその世代ではないです。再放送組ね)。なんと言うか、ものすごい銀化具合だ。とは言え、これはローマングラスのような本当のガラス銀化ではなく、偽銀化と言うようなもの。


       

持ち帰って、壜口についていたコルク栓を外し、中を洗って漂白すれば、はいこの通り。すっかり綺麗になって、銀化しているのは、壜口横のごくわずかな部分だけ。偽銀化は、壜の中にこびりついた膜状物質によって、光が干渉や散乱を起こして虹色に見えているだけ。一種の構造色だ。口の部分の銀化は、おそらくコルクとガラスが擦れることでついた、微細な傷が原因だと思われる。まあ、壜の中身は実際かなり汚かった。なんか黒いのこびりついてたし(笑) それにしても、小さな気泡もあって、なかなか良い硝子壜だ。


 

さて、硝子壜の正体だけれど、これは「味の素」のいわゆるバチビンだ。高さは115ミリ。壜の底には、「素の味」と右書きのエンボス文字。コルク栓で右書きエンボスなので、戦前のものと考えて良いだろう。味の素のこのサイズの壜には、もう少し口の長いタイプもある。それを紹介したのはなんと11年も昔のことだ。それから今までの間、実はこの口の短いタイプも拾ったことがあったと思うのだけど、あまりに状態が悪くて、物の行方はわからず写真も残っていない。今回のものは、海上がりとしては上等の部類。最近は、小さい卓上用バチビンも海岸で見ることが減っている。そんな中での出会いは嬉しいものだね。



2019.09.16 Monday

置き土産

        

各地に大きな被害を出した台風15号。自分の住んでいるエリアも丸2日以上停電した。パソコンが使えず仕事にならないので、三浦半島の様子を見がてら、個人的な調べもののために浦賀方面へ出かけてみた。その後、ここまで来たのだからと観音崎にまで足を伸ばす。そこで見つけたのが、これ。まあ、写真はヤラセですけどね(実際は、大量の打ち上げ物に混じっていた)。


 

本当に久しぶりの、そして今までで最大のオオブンブク! 長径はほぼ10センチ(正確には98ミリ)。何しろ神奈川ではブンブクの打ち上げに出会うことが稀。オオブンブクは、近年で拾ったのは小さいサイズだけで、大きめのものは欠片しか見ていない。残念ながら腹面に大きな穴が開いていて、そこからヒビも走っているけれど、側面から上面がしっかり残っているので上出来だ。肛門部分も残っていたので敢えて漂白はせず、黒く残った模様を活かしてみた。


  

この後、2枚目の背景に見えている観音崎自然博物館に寄ってみたのだけど、こちらも停電で臨時休館。図らずも情報弱者ぶりを発揮してしまったが、今回は三浦半島でも停電地域がモザイク状で、浦賀や鴨居あたりは停電していなかった。復旧対策が混乱するのも仕方ない部分はあったのだろう。ただ、博物館が休館でも、このオオブンブクの置き土産が得られたのなら、十分に御釣りが来るくらいのものだ(笑)


2019.08.28 Wednesday

朝顔一輪

 

ご無沙汰してます! およそ3ヶ月もブログを放置してしまってスミマセン(苦笑) 少し忙しかったのもあるのだけど、このところは特に拾うものもなく、ほとんどネタ切れ状態でアップしようがなかったのです(ストックネタも大したことないし…)。さて、今日は全国的に雨模様のようで、九州では大変なことになっているけれど、こちらもけっこうしっかり雨が降り、しかも意外と風が強かった。そんな訳で、また夕方の満潮に合わせて海岸を歩いてみた。先々週の台風10号余波の際にはまったく見られなかったが、今回はたった1個だけ、小型のアサガオガイが流れ着いていた。今年は5月に1個拾って、これで2個目。う〜ん…なんかパッとしない。西の方でも青い貝については特に情報もないみたいだし、今年はイマイチかな? それで種子でも来れば良いけれど、それもダメなんだよね。8月ももうすぐ終わり。秋に期待したいね。


 
2019.05.29 Wednesday

下がり花

 

今週の月曜日の夜から火曜日にかけて強い南風が吹いた。風が吹いたら海岸へ。生憎雨が降り出したけれど、濡れるのも気にせずに歩く。ウィンドサーファーを除けば海岸に人などいない。ホント酔狂だよなと、つくづく思う(笑) 海岸には流れ藻を中心とした寄りものが大量。この季節なのであまり大きな成果は期待できないけれど、丁寧に見ていけば小さなアサガオガイひとつ。今年2019年の、そして令和最初の青い貝ゲット!


     
     

青い貝にしても種子類にしても、やはり種類、数ともに増えるのは夏以降、秋が本番という感じだ。それでも稀にモダマが来たりするから気は抜けない。しかし、寄りものの雰囲気がイマイチ南方系の混じる雰囲気ではないんだよね。見つかったものと言えばココヤシの内果とモモタマナ1個ずつ。そして…


 

これはちょっと珍しいサガリバナの果実。サガリバナはゴバンノアシと同じ仲間で、その果実は浮遊に適した厚い繊維質層が発達している。ただ、ゴバンノアシに比べると、関東南部への漂着数ははるかに少ない。もちろん上述のモモタマナには遠く及ばない。その理由は、ゴバンノアシのように丈夫な外果皮がないこと(ゴバンノアシは外果皮が残ったまま漂着することもある)、モモタマナのようなコルク質が発達していないことではないだろうか。漂着種子果実としては、近〜中距離散布型と言えるのかもしれない。今回のサガリバナには、表面にコケムシやエボシガイの付着が見られ、長期間漂流して来たことを物語っている。



2019.04.11 Thursday

ヒスイ海岸に行ってきた

 

つい最近、所用で富山に行く機会があり、最終日に1日オフ日があったので、こんな場所へ行ったきた。富山市内からは少し距離があるし、すごく興味があった訳ではないんだけど、ビーチコーマーとしてはやっぱり避けては通れないでしょ(笑) この場所は富山県朝日町の宮崎海岸。ここから同じ朝日町の境海岸まで続く一帯は、親不知子不知を越した先、新潟県糸魚川市の海岸と並ぶ、ヒスイが拾えることで有名な海岸なのだ。


 

海岸は、あいの風とやま鉄道の「越中宮崎」駅のすぐ近くで、周辺はのどかな田舎の集落。でも、平日の昼間でも大型観光バスで観光客がぞろぞろとやってくる。観光客はみんな、とりあえずは海岸に降りてきて、石を拾い上げたりしていた。


 

海岸には、観光交流拠点施設ヒスイテラスなるものがある。グーグルマップにもまだ反映されていない、できたてホヤホヤのようだけど、施設スタッフのおじいちゃん曰く、「ここは海を眺めるための施設」ということで、トイレとレンタサイクル以外は何もない。ただし、ヒスイの展示はあるので、参考にはなるよ。ここにカフェでも作ったらいい感じになりそうだけど、それをしない潔さは好感が持てるかも。まあ人件費その他を賄えるほど、人が来ないのだろうけどね。さて、ここまで来たなら、やっぱり拾いますよ。その結果は…。


 

これがまあけっこう難しい。1〜2枚目の写真を見るとわかる通り、海岸には細かい砂利が敷き詰められていて、そこに含まれる岩石、鉱物も多種多様だ。色も黒や灰色だけでなく、白、ベージュ、赤、オレンジ、ピンク、紫、緑、それにごま塩、まだら、縞々と色も模様もいろいろある。ヒスイを拾えるチャンスは冬場の海が荒れた後が良いと言うし、海岸にはいかにもベテラン風(長靴に石を搔きわける棒を持った)おばさんも歩いている。ヒスイと言ってもさまざまなタイプがあるようだし、知識も経験もないので如何ともしがたい。まあ、期待薄だとは思っていたけれど、それでもなんとかそれっぽいものを拾うことができた。


 

大きさはほんの豆粒大程度(笑)でも、上の3つのうち、特にこの2つは間違いないんじゃないかな。まあ、現地の砂と一緒に小瓶に入れて飾るには、ちょうど良い大きさだ。


 

ヒスイの他にも、瑪瑙を含んだ玉髄なんかもけっこう落ちている。写真のものは玉髄でも、碧玉と言えるものなんじゃないかな? ツルッツルで模様もあって、これだって十分に勾玉が作れる美しさだ。もちろん希少度という点ではヒスイに劣るのかもしれないけどね。しかし、この海岸を歩けば、岩石・鉱物標本セットが簡単に作れそうだと思った。こっち系が好きなビーチコーマーには堪らない場所かもしれないね。



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