飴色のアテナインキ
アテナインキは丸善が大正5年(1916年)に世に送り出した万年筆用の傑作インキ。古き良き時代の丸善のベストセラー商品であり、確か昨年には創業140年記念として限定復刻版のセピア色も発売された。丸善のインキ壜についてはこのブログでも何度か紹介しているように、海岸からも時々出てくる。またネットオークションなどでもよく出てくる。その中で、アテナインキはというと、壜の首から肩にかけて段差のあるタイプ、前に紹介したこれのようなデザインの壜がほとんどだ。少し時代が新しいと思われるスクリューキャップの小壜も基本変わらないし、前述の復刻版もこのデザインを踏襲している。で、今回の壜。肩には「ATHENA INK」のエンボスが刻まれているから、アテナインキに間違いない。でも、首から肩にかけては段差がなく、壜の色も飴色をしている。また、壜底にある「M」の刻印も周りにザラザラした凸凹がつけられているのだ。このデザインの違いは製造年度の違いなのか、それとも昔の限定版だったのか…。ちょっと変わったアテナインキ。光に透かすと、その飴色が暖かみを感じさせてくれてる。

ピンクのヒョウちゃん?
横浜名物・崎陽軒のシウマイ用に作られた醤油入れ「ひょうちゃん」。漫画家の横山隆一氏が顔を描いた初代(昭和30年登場、48種類)、イラストレーターの原田治氏が顔を描いた2代目(昭和63年登場、大小各80種類の4色)、そして平成20年には柳原良平氏が顔を描いた100周年記念版(大小各7種類)も出て、ちょっとしたコレクターアイテムにもなっている。最初にひょうちゃんが登場した時は、横山隆一氏のネームバリューもあってかなりの注目を集めたのだろう。昭和30〜40年代にかけて類似のひょうたん型醤油入れが各地で作られたらしい。今回紹介するピンク色のひょうたん型醤油入れもその1つだ。干潟の泥の中から出てきたこの醤油入れ。顔などはなく、胴の部分に青い文字で「シウマイ 楽陽軒」と書かれている。ひょうちゃんよりも、少しふっくらしたフォルムだ。名前の楽陽軒は横浜にあったとか大和市にあったとか、イマイチはっきりしない。今では営業していない店なのかもしれない。

ネットを見てみると、このひょうちゃん類似のひょうたん型醤油入れを作っていたのは他にも何軒か確認されているようで、実物が写真で載っていたのは葉っぱか軍配の絵の中に「商興」の文字が入ったもの。また、ひょうたん型醤油入れを作っていたとされた中には、湘南の駅弁で有名な「大船軒」の名前もあった。神奈川南部で生まれ育った僕にすれば、駅弁と言えば小田原の東華軒と大船の大船軒。大船軒の駅弁にはまだ逗子に来る前、電車利用で磯に行く時に何度かお世話になっている。ひょうたん型醤油入れがあったなら、ぜひ拾ってみたいな。以前には千葉のこんなのも拾っているけれど、醤油入れってお弁当などの脇役としてけっこう重要なんだね。
こちらもよろしくね☆……海山日和
フクロウニ
皆さんは、この残骸を何だと思われるだろうか? 何かの脱皮殻のようにも見えるこのモノ、拾った時点で多少のは弾力があったけれど、乾燥しきった今ではガサガサの状態。ちなみに左側が上で、右側が下の部分の内側だ。すぐにわかった人もいると思うけれど、実はこれウニの殻なのである。ウニの殻と言えば石灰質の固いイメージがあると思うけれど、このウニ・フクロウニの仲間は殻の石灰化が進んでおらず、革袋状で柔らかいという特徴があるのだ。これは春先に漁労屑から拾ったもの。もうトビやカラスに突かれたのか、ボロボロ、グチョグチョ、ドロドロの状態ですごい臭いだったけど、迷わず回収(笑) おそらく種類は温帯域のやや深場で見られることの多い、イイジマフクロウニではないかと思う。このイイジマフクロウニは棘に強い毒を持つ、危険なウニとしても知られている。でも、こんなカニに寄生されて、せっかくの武器である棘もチョキチョキ切られちゃうこともある。

迷わず回収した理由の1つがコレ。口器…アリストテレスのランタンが残っていたことだ。まぁ先にネタばらししてしまえば、漂白に失敗してバラバラにしてしまい、接着剤を使って組み立てたんだけどね(笑) 写真2枚目の左にある大きい方がそれで、右にあるのが殻の直径が5〜6センチほどのムラサキウニの口器だ。このフクロウニの口器は直径、高さとも3センチほどもあって、ムラサキウニのそれとは二周り以上の大きさだ。歯は薄い1枚板状で(ムラサキウニのは裏側に出っ張りがある)、先は鋭く尖って何とも迫力がある。口器の大きさから想像して、本体(殻)は12センチほどはあっただろう。イイジマフクロウニは深場の住人だけに自然の打ち上げは期待できないし、漁労屑でも滅多に出会わない。でも、いつか完全な状態で手に入れたいと思ってるんだよね(笑)

キノコみたいな植物?……海山日和
六曜の石蹴り
直径約4センチの、淡い緑色の石蹴り。型押しで6個の丸いエンボスがつけられている。家紋にもある六曜星だ。六曜星(六曜)とは先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6つのことで、暦注(暦に記される吉凶や運勢の事項)の一種。カレンダーに書いてあるアレだ。もともと中国から鎌倉時代に伝わったものといわれている。前にも紹介している二つ巴もそうだけど、石蹴りにはけっこうこの手の伝統紋様が使われている。この石蹴りを見ると、全体に気泡がたっぷり入った素朴な作り。石蹴りは昭和20年代後半から昭和30年代になると、エンボスの紋様にテレビやマンガのキャラクターなどが盛んに登場する。今回のもののように伝統的な紋様で素朴な作りのものは、おそらくそれ以前、戦前から戦後間もなくの頃に作られたものではないだろうか。伝統紋様かどうかわからないけど、下の写真の左側のように似たような紋様のものもある。これも同じくらいの時代のものだろう。今日は七夕。でも今年も結局は雨模様。夜空の星とはちょっと違うけれど、今夜はこのブログにも星を輝かせてみよう☆

アヒルちゃん
僕が拾って何気に嬉しいモノの1つに陶製人形がある。このブログの読者ならお馴染みのクマシリーズや、最近ではグリコのおまけシリーズなどもあるけれど、最近新たにコレクションに加わったモノがこの陶製のアヒルちゃん。お風呂のおもちゃ・ラバーダックのように黄色でないのは少し残念だけど、大人の白い羽色にピンク色のリボンをしたお洒落さんだ(笑)ショボショボなくらい目も小さいけど、それがかえって素朴な雰囲気を醸し出している。早速、今まで拾っている陶製鳥たちに仲間入り。2羽のカモメ(っぽいの。ハトかもしれないけど)もここで初登場。こちらは作りが雑でちょっとエイリアンぽいけどね(爆)みんな仲良くするんだぞ〜☆

ウミウシ続きます……海山日和
青くり〜む
先月の後半から新しいパソコンを使っている。これを読んでくれている一部の人はご存知だと思うが、今まで使っていたパソコンが昨年末に逝ってしまった。ハードディスク初期化で乗り切ったものの、今後に不安を残す状態では困るので新規購入したのだ。使えなくなったソフトなどが多く困った点も多いのだけど、懸案の1つだったネット関係はサクサク快適☆ ディスプレイも大きく美しく、やはり新しいだけある(笑) で、今回の硝子壜。そのパソコンを注文しに横浜へ出かけの帰り。家の近所を歩いていて道端で拾ったものだ。その場所は少し前に斜面が崩れ、コンクリート吹き付けの工事をしていた。どうやら、その斜面に昔捨てられたものが、その崖崩れか工事の影響で出てきたものらしい。

壜は濃いめの美しいコバルトブルー。胴体には大きな気泡も入っている。大きさは高さ6センチ弱といったところ。アルミ?の蓋が残っていて、その蓋と壜の底に見覚えのあるマークがある(写真2枚目は壜の内側から撮っているので、マークは逆さ)。ウテナ化粧品のマークだ。ウテナ化粧品のルーツは大正12年(1923年)にまで遡ることができる、歴史ある会社。このクリーム系のものと思われる壜の正体はわからないけれど、同じような青い化粧クリーム壜が昭和10〜20年代にかけて各社で作られている(杉並区立郷土博物館「硝子壜の残像」展図録を参照)。これも同じくらいの時代のもだと思う。下の写真はずいぶん前に海岸で拾ったクリーム系の硝子壜。押し入れに仕舞い込んでしまってサイズがわからないのだけど、多分今回の壜より一回り大きい感じ。☆形の凹エンボスがあり可愛らしい。これもやっぱりお同じ頃のものかな。コバルトブルーの壜、クリーム系もいい感じだね!

外見より内面で勝負!
5月初めに久しぶりに合弁のアズマニシキを見つけた。パッと見て「地味だなぁ〜」と思ったのだけど合弁は貴重だし…と思い拾い上げた。でも、やっぱり左右ともに地味だ。汚れも痛みも少ないけど、もっと赤みがあればいいのにな。この手の二枚貝類は、お友達のkinさんのブログでもよく登場するのだけど、環境の差なのか(kinさんの地元は日本海側)あちらのアズマニシキやナデシコガイ、キンチャクガイは華やかで美しいのだ。それに比べてこちらのは…などと思いながら、ふと貝殻の内側(裏面)を見たらビックリ! そこには見事なまでの紫色のグラデーションがあった☆ 外縁の赤紫から殻頂側の深い紫色へと淡い帯を描きながら変化していく。内面の艶やかな光沢が、その色彩を一層引き立てている。これは奇麗な夕焼け空にだって勝るとも劣らない美しさだ。う〜ん、外見ばかりに気を取られてごめんね!(笑)

無名インキ
拾った年月は違うけれど、ほとんど同じような場所から出てきた3つのインキ壜。壜の基本的なデザインと、淡い緑色のような、水色のような硝子の色は同じなのだけど、それぞれに少しずつ違っている。まるで血の繋がった兄弟のような、そんな感じがするインキ壜だ。正体をひも解く鍵になるようなエンボスは、何1つ付けられていないけれど、おそらく同じメーカーの同じブランドの品なのだろう。コルク栓タイプであることや硝子の質などから、戦前のものと思われる。

拾ってきた古い壜の素性、正体がわかれば、それは楽しい。でも、それはあくまで付属的なもので、硝子壜本来の魅力とは別のものだ。このインキ壜は今は何者でもないけれど、いつまでも眺めていたくなる魅力に溢れている。気泡の数や大きさ、位置、硝子そのものの歪みなどが相まって、何とも言えない個性を生み出している。現代の技術なら寸分の差もない完全に同じ硝子壜を生み出すことができるだろう。でも当時は、どれ1つとして同じものなど生み出さなかったに違いない。それって人間がみんな違っているように、とっても素敵なことなんだと思うな☆
